個人差はありますが、補聴器の装用を開始してから音に慣れるまで「約3ヶ月」かかるといわれています。
ある研究によると補聴器の音に慣れるまでには「約2ヶ月」かかることがわかりました。そして、早く補聴器に慣れた人は「1日平均11時間以上の装用が可能」でした。
ではなぜ補聴器に慣れるまで時間がかかるのでしょう。
それは以前のブログでも取り上げましたように、「今まで聞こえていなかった音が聞こえてくるから」です。(前回ブログ「高い音が必要な理由」参照)
また補聴器に慣れるには、先ほどお伝えした通り「1日の装用時間」も重要となります。しかしジャパントラック2015によると補聴器の1日平均装用時間は6.8時間でした。(2012年:平均5.7時間)
補聴器の音に脳が慣れるためにも、起きている間はなるべく補聴器を付けて慣らしていきましょう。早期から長時間装用することは早く補聴器装用効果を実感できます。そして積極的に補聴器の音を上げていくことができるので、スムーズに目標値に達することができ、会話が聞き取りやすくなります。(ただし個々の状況により長時間補聴器装用が難しい場合もあります。)
何でも初めてのことは覚えたり、習得するまで時間がかかります。
「ピアノを始めた」「自動車学校に通い始めた」…そんなとき練習をしてもいないのに「私はすぐできる!」とは思いませんよね。また技能を習得した人が「壊れたから新しいピアノを買おう」「最新の車がほしいな」と思い実際に購入した時、今までの物とは違いますので「新しい物」に多少慣れる必要があります。
補聴器も同じです。付けてすぐ「快適♪すごく聞きやすい!不満がない!」という方はなかなかおりません。調整を行ない徐々に「聞こえやすくなった!」と感じられる方がほとんどです。また、補聴器経験者が新たに違う補聴器を購入した時も少し慣れる必要があります。(メーカーによって音の特徴があったり、クラスによって調整できる幅が異なるためです)
補聴器を一度試したけどすぐ止めてしまった方も、もう一度補聴器に挑戦してみてはいかがでしょうか。焦りすぎず「聞こえ」と向き合っていきましょう。
(参考文献:補聴器の初期調整時の装用時間と音に対する慣れの検討)