今回は
というお悩みをお持ちで
↑このような耳栓をご使用されている方に対して原因と解決策をお話しします。
事例
当店では「他店で購入した補聴器を調整してほしい」と来店されたお客様に、補聴器をつけた時の効果を測定したうえで改善できる点をご提案しております。
よくある事例をご紹介いたします。
事例1
下記は補聴器をつけた時とつけないときの差を表したグラフです。
図の説明の通り、オレンジの印で示された部分は、補聴器をしたときとしないときで変化がない状態です。つまり、オレンジの部分は補聴器で聞こえを補うことができておりません。このような結果の多くは下記のような耳栓を使用しております。
このタイプの耳栓(オープン耳栓)は耳に圧迫される感じが少なく装用感が良いです。しかし聴力によっては肝心の聞こえを補いきれません。
今回はご本人に現状を説明しご相談の結果、現状の補聴器にオーダーメイドの耳栓を作製することとなりました。
※サンプル
調整を加え、下記のような結果となりました。
本人のお耳に合わせたオーダーメイドの耳栓を使用することで、音の抜けを減らし必要な音をお耳に届けることが出来ました。
もう一例ご紹介します。
事例2
同じようにオレンジの印の部分は、補聴器をしたときとしないときで変化がない状態です。そして同じくオープン耳栓を使用しておりました。
片方紛失にて両耳買替のためご来店。来店時はお耳に耳栓がうまく挿入できておらず浮いている状態でした。聴力や操作性からしっかりしたBTEタイプの耳かけをご提案しました。
ご聴力に合わせ調整をし、下記のような結果となりました。
オープン耳栓を選択した理由
他店様でこのような耳栓を選択した理由として考えられることは以下が挙げられます。
以前は低域の聴力が残っていた
個人差はありますが聴力は年数をかけて徐々に低下します。その間まったく調整をしない場合、「以前は適応していたが今の聴力には合わなくなっている」ということが考えられます。最近補聴器をしても聞こえにくいな、、と思ったらまずは購入したお店で調整の状態を確認してもらいましょう。
訴えに応じて装用感を重視した
安易にこもるからとオープン耳栓にすると今度は響くという訴えがおこります。そしてそのまま高域を下げてしまうとほとんど音が入っていない状態になります。
結果、あってもなくても変わらない補聴器となってしまいます。残念ながらまだまだこのような調整が多いのが現状です。
解決策
このようなパターンの当店での解決策の一例です。
耳栓をオーダーメイドの耳栓に変更する
- 低域の音の抜けを防止できる
- 補聴器落下のリスクも減少する
オーダーメイドの耳栓に関しての詳細はこちらをご参照ください↓
レシーバーを交換する
- 聴力に対して補聴器のパワーが足りない場合
補聴器を買い替える
- レシーバーを交換しても明らかに補聴器本体のパワーが足りない場合
- 補聴器が故障しており修理代が高い、または修理対応が終了している場合
なかには購入して数か月の高性能な補聴器をご持参される方もいらっしゃるため、なるべく補聴器を買い替えずに装用効果を実感していただけるように心がけております。
大事なのはここ!
残念ながらむやみに上記のような解決策を実行しただけでは、満足度は得られません。「こもるのが辛いからやめたい!」となってしまうかもしれません。聴こえの満足度が得られるためにはご本人と調整者、お互いの協力が必要になります。
説明
例えば、「なにを目的として耳栓を変更するのか、耳栓を変更したことによってどのような効果が得られるのか、そのためには補聴器装用者ご本人の協力も必要である」ことなど調整者は丁寧に説明し、ご本人に理解していただくことが必要です。
調整
せっかく適した耳栓や補聴器を選択しても聴力に合わせた調整をしていなければ結局聞こえに満足しない、、となってしまいます。
長時間装用
通常、何も入れることのないお耳に耳栓が入るので、今までとのギャップがありどうしても最初は違和感を感じます。そこでご本人の協力が必要になります。毎日10時間以上使用して少しずつ馴染んでいく感覚があるのか、全く変わらないのか。長時間装用によりどこに問題点があるのかが明確になり調整のヒントとなります。
まとめ
補聴器は買っておしまい、ではありません。むしろその後のフォローがとても大切です。補聴器をつけた状態の聞こえを維持するためにお耳の管理も意識しましょう!