「親にスマホを持たせたいけれど、補聴器とちゃんとつながるの?」——補聴器をお使いのご家族がいると、ここが一番の心配ごとだと思います。この記事では、2026年6月に発売されたarrows We3を軸に、補聴器と使うスマホの選び方を、認定補聴器専門店の視点で正直にお伝えします。

最終更新日:2026年7月7日|本記事は立川補聴器センターが実機を購入し、日本国内で検証した内容を含みます。価格は2026年7月5日時点の参考価格です。
結論(お急ぎの方へ)
arrows We3は、当店の実機検証でリサウンド SAVI 4とのASHA接続・両耳ストリーミングを確認できました。4万円台の価格、耐久性、シンプルホームを重視する方に向いています。LE Audioと録音・文字起こし機能を重視するならPixel 10a、Apple製品との連携を重視するならiPhoneが候補です。最終的には「スマホ単体」ではなく、いまお使いの(または新しく選ぶ)補聴器との組み合わせで決めるのが基本です。
arrows We3が「補聴器とつながる」エントリー機として登場
arrows We3の最大のポイントは、ASHA(Androidの補聴器ストリーミング規格)でのストリーミングが使えることです。arrows Weシリーズ・BASIO・かんたんスマホといった、シニアに定番の手頃なスマホの中では、補聴器ストリーミングを利用できる数少ない一台です(前モデルWe2では確認できませんでした)。

ASHAでつながると
スマホの電話やLINE通話の相手の声が、補聴器に直接届くようになります。当店でarrows We3とリサウンド SAVI 4 RIEを接続したところ、ASHAによる両耳ストリーミングを確認できました。当店が行った短時間の実機テストでは、音切れなく動作しています。
当店の検証条件
検証日:2026年7月/スマートフォン:arrows We3(SIMフリー版・OS標準構成)/補聴器:リサウンド SAVI 4 RIE(両耳)/確認内容:音楽・通常の電話・LINE通話・左右両耳へのストリーミング/通話時の送話:スマートフォン本体マイクを使用。
※お使いのスマホ・補聴器・OSやファームウェアの組み合わせによって結果は変わります。すべての機種・長時間の使用を保証するものではありません。
通話のしくみを一つだけ
相手の声は補聴器へ直接届きますが、こちらの声はスマホ本体のマイクで拾います。そのため通話中は、スマホをカバンや離れた机に置いたままにせず、口元に近い位置に置いてください。
※ 補聴器は管理医療機器です。お使いの補聴器側もASHA対応である必要があります。ASHAの基本についてはこちらの記事で解説しています。
arrows We3を、ご両親のスマホにおすすめする理由
ご高齢のご家族のスマホとして、arrows We3は理にかなっています。

補聴器に音声が直接届く(ASHA対応)
電話やLINE通話の相手の声を、補聴器でそのまま受けられます。スマホを耳に当てなくても、相手の声が補聴器に届きます(自分の声はスマホのマイクで拾うため、通話中はスマホを口元の近くに)。
とにかく頑丈(防水IPX6/IPX8/IPX9・防塵IP6X・MIL規格)
落としても、濡らしても強い設計。ハンドソープでの丸洗いやアルコール除菌にも対応します。「うっかり」が多いシニア世代でも扱いやすい一台です。
※ 防水・防塵性能はメーカーの試験条件(IPX8は常温の水道水・水深約1.5m・約30分など)に基づくもので、無破損・無故障を保証するものではありません。
価格が手頃(SIMフリー版で4万円台〜)
高価なスマホと比べて購入価格を抑えやすく、防水・防塵・落下への耐久性も備えているため、ご家族に持たせる際の心理的な負担を抑えられます。どこまでを許容できるかは人それぞれですが、購入時のハードルは確実に低くなります。
シニアにやさしい工夫
ワンタップで大きな文字の「シンプルホーム」に切り替え可能。さらに、AIが特殊詐欺の疑いを検知して警告する迷惑電話対策や、海外からの着信を一律拒否する機能も搭載。ご家族が離れて暮らしていても、詐欺対策の面で心強い設計です。


電池が長持ちで劣化しにくい
5,000mAhの大容量で、充電しながら使ってもバッテリーが傷みにくい「ダイレクト給電」に対応。FCNTのシミュレーション(約1.5日に1回・1,250サイクル相当の試験)では、約5年後も初期容量の約80%を維持するとされています。実際の劣化具合は充電方法や使用環境によって異なります。長く使う前提のシニアに向いた設計です。
ライバル機はどれ? 補聴器の視点で3機種に絞る

「スマホは種類が多すぎて選べない」——その通りです。カメラ自慢のXiaomi、薄型のmotorola、各社さまざまな機種があります。全部を比べていたらキリがありません。そこで本記事では、補聴器とつなぐ視点で意味のある3機種に絞ります。
- arrows We3(実売約42,000円〜)……価格・接続性・コスパ・耐久性
- Google Pixel 10a(79,900円〜)……LE Audio対応・文字起こし・処理性能。録音の文字起こしやAI要約が使いやすい
- iPhone 16e(発売時99,800円〜)……MFiの接続安定性・Apple製品との連携。当店で実機検証済み
価格は2026年7月5日時点の参考価格です。arrows We3は販売店の実売価格、Pixel 10aはGoogle Store価格、iPhone 16eは発売時のApple Store価格を掲載しています。キャリア版は割引・在庫の変動が大きいため、本記事では比較の基準に含めません。また、現行モデルだけでなく、当店で実機検証できるiPhone 16eも比較対象としています。ご購入時は各販売店で最新価格をご確認ください。
なお、カメラ全振りのハイエンド機(Xiaomi 15 Ultraなど)は、確かに写真は最上級ですが、大きく重く高価で、補聴器ユーザーの日常には過剰です。しかも機種によってLE Audio対応がまちまちで、購入前の確認が必要です。今回は「上限の参考」として名前を挙げるに留めます。
3機種を比較(充電・カメラ・おサイフ・防水・接続性)

| 項目 | arrows We3 | Pixel 10a | iPhone 16e |
|---|---|---|---|
| 補聴器ストリーミング | ASHA | ASHA+LE Audio 当店実機検証済 | MFi 標準・安定 |
| Bluetooth | 5.4 | 6 | 5.3 |
| 充電(有線) | 5,000mAh USB PD 3.0・ダイレクト給電 | 5,100mAh/急速充電対応 45W以上のPPS充電器使用時、約30分で最大50% | 20W以上 約30分で最大50% |
| ワイヤレス充電 | ✕ | 〇 | 〇 Qi 7.5W |
| MagSafe | ✕ | ✕ | ✕ |
| カメラ | 5,030万画素 単眼 | 4,800万+1,300万 超広角あり | 4,800万Fusion 単眼・2倍望遠 |
| おサイフケータイ | 対応 | 対応 | Apple Pay/Suica |
| 防水・防塵 | IPX6/8/9・IP6X MIL・丸洗い可 | IP68 | IP68 |
| 参考価格 SIMフリー最小構成 | 実売約42,000円〜 | 79,900円〜 Google Store | 99,800円〜 発売時Apple Store |
※ 「MFi」はBluetoothのバージョンではなく、Appleの補聴器接続方式です。表では上段の「補聴器ストリーミング」に記載しています。
接続性の3規格を、ひとことで
- ASHA(We3)……電話・LINEを補聴器に届けられる。実用十分な入口
- LE Audio(Pixel 10a)……高音質化や省電力を実現しやすい次世代規格。実際の音質・遅延はスマホと補聴器の組み合わせや実装によって異なります。補聴器側も対応していれば利用できます
- MFi(iPhone 16e)……Appleの認証方式。iOSの設定から補聴器を操作でき、安定してつながる信頼感が強み
カメラの写りについて(実機で撮り比べ)
3機種で同じ被写体を撮り比べてみました。写りには各機の個性がありますが、これは主に写真の”好み”の話です。本記事では画質よりも、補聴器との接続性と使いやすさを重視します。
参考:実機で撮り比べたカメラ作例
カメラについては専門的な画質評価は行わず、同じ場所・近い条件で撮影した作例を掲載します。色味や人物の写り方の参考としてご覧ください。arrows We3、iPhone 16e、Pixel 10a、arrows We2で同じ被写体を撮影しています。
arrows We3は4万円台(キャリアショップでは2万円台の場合も)で購入できるスマートフォンですが、旧モデルのWe2と比べても、写りは自然になっている印象です。カメラのチューニングが進化しているのかもしれません。
標準撮影(1倍)




2倍望遠




ポートレート撮影




ポートレートでは、We2は加工感が強めに出ています。We3は比較的自然で、Pixel 10aと比べてもWe3のほうが自然に見えました(あくまで作例上の印象です)。
文字起こし比較
今は、ご高齢の方でもスマホで文字起こし、AIで要約を使っている方が増えてきました。市役所や大事な打合せを文字にして、スマホのメモ帳やGeminiなどのAIに入れておけば、備忘録にもなり、簡単に要約もしてくれます。

今回ご紹介するarrows We3の文字起こしは使えるのでしょうか。4万円台だとさすがに厳しいのか、検証してみました。
簡単な会話を文字起こし
まずは、ちょっとした日常会話をarrows We3、Google Pixel 10a、iPhone 16eで文字起こしして精度を比較しました。今回テストする3台のスマホは、どれも違うアプリで、スマホ本体に標準搭載されたものを使っています。これらのアプリを使えば、別途課金は必要なく文字起こしが利用できます。
左からiPhone 16e、arrows We3、Google Pixel 10aです。
どれもOS標準搭載で、無料とは思えない精度でした。なお、録音しながらリアルタイムに文字起こしを確認できる点は、Pixel 10aだけでなくiPhone 16eの「ボイスメモ」でも利用できます。今回試した範囲では、録音後の検索性やAIとの連携まで含めると、Pixel 10aが最も使いやすく感じました。
Googleマップ音声検索
Googleマップでの音声検索を、arrows We3とPixel 10aで比較してみました。We3もスムーズです。
結構サクッと出てくるので、これくらいならストレスなくWe3を使用できそうです。
BASIO・かんたんスマホからの乗り換えに最適かも
今、ご家族がBASIO(ベイシオ)やかんたんスマホをお使いで、かつ補聴器を使っている——この組み合わせなら、arrows We3への買い替えを前向きに検討する価値があります。
これらのシニア向け定番スマホは、補聴器ストリーミング(ASHA)に対応していない場合があります。その場合、電話やLINEの音声を補聴器に直接飛ばせません。We3に替えれば、相手の声が補聴器に直接届くようになります。使い勝手(シンプルホーム・大きな文字)はそのままに、補聴器との相性が一段良くなる、という乗り換えです。
買い替え前に、2点だけ確認を
お使いの機種・補聴器の対応状況によって結果は変わります。「今のスマホがASHA対応か」「補聴器がASHA対応か」の2点を、当店で一緒に確認できます。
補聴器+スマホで考える|リサウンド SAVI 4 で規格を検証すると
スマホ単体で決めても、補聴器がその規格に対応していなければ意味がありません。そこで、MFi・LE Audio・ASHAのすべてに対応するリサウンド SAVI 4(RIEタイプ)を検証用の”ものさし”として、3機種の接続方式を試しました。
なぜ リサウンド SAVI 4 で比べるのか
リサウンド SAVI 4 は、MFi・LE Audio・ASHA のすべてに対応しています。だから、3機種それぞれの接続方式(We3=ASHA/Pixel 10a=LE Audio/iPhone 16e=MFi)を、たった1台の補聴器で公平に試せます。とくにPixel 10aのLE Audio接続を利用できる点は、リサウンド公式の互換性情報でも対応が案内されています。比較の”ものさし”として使いやすい一台です。
リサウンド SAVI 4 はあくまで一例です。同じくMFi・LE Audio・ASHAに対応する補聴器であれば、同様の考え方で選べます。最終的には、いまお使いの補聴器との組み合わせで判断してください。
arrows We3 + リサウンド SAVI 4
ASHAで接続。電話・LINEを補聴器で受けられます。SAVI 4のLE Audio性能そのものは使えませんが、日常使いには十分です。とにかくコスパで揃えたい方の候補。
Pixel 10a + リサウンド SAVI 4
LE Audioで接続できます。LE Audioは高音質化・省電力を実現しやすい規格です(実際の音質・遅延は組み合わせにより異なります)。加えてPixelは録音の文字起こしやAI要約が使いやすく、聞き逃しを補う実用性も高い。性能で選ぶ方の候補。
iPhone 16e + リサウンド SAVI 4
MFiで接続します。当店の実機検証では安定して動作しました。加えて、iOSの設定画面から補聴器を直接操作できる、Apple製品間で接続を切り替えられる、といった利点があります。一方で、価格とLE Audio対応の面ではPixel 10aが有利です。文字起こしは、ライブキャプション(リアルタイム字幕)や録音中の文字起こしは使えますが、録音後の検索性やAI要約はPixelに一歩譲ります。
まとめ|あなたの選び方
大事なのは、LE Audio対応の補聴器で比べることです。ASHAやMFiだけで比べると、Pixel 10aの「次世代接続」という一番の強みが見えず、10aが不利に映ってしまうためです。今回は、MFi・ASHA・LE Audioのすべてに対応するリサウンド SAVI 4を検証用の”ものさし”として使いました。ただし、最終的な選び方は「スマホ単体」ではなく、いま使っている(または新しく選ぶ)補聴器との組み合わせで決めるのが基本です。その上で、選び方はシンプルです。
- コスパ重視なら → arrows We3(+ASHA対応の補聴器)
電話・LINEを補聴器で、頑丈で安い。多くの方はこれで十分満足できます。 - 価格・次世代接続・文字起こし重視なら → Pixel 10a(+LE Audio対応の補聴器)
LE Audio接続と録音・文字起こしの使いやすさ。聞こえの実用性を一段上げたい方に。 - Apple製品との連携重視なら → iPhone
iPhone・iPadを複数お使いの方、iOS標準機能から補聴器を操作したい方に。
なお、LE Audio対応の補聴器としては、当店取り扱いのリサウンド SAVI 4のように、価格を抑えつつMFi・ASHA・LE Audioの3方式に対応する機種もあります。どの規格をいちばん活かせるかは、選ぶスマホによって変わります。
ただし、こんな方は別です
今フォナックをお使いの方、iPhone・iPadで生活が完結している方は、この限りではありません。あなたの補聴器と暮らしに合わせて、最適な組み合わせを当店で一緒に選びます。
よくある質問
- arrows We3は本当に補聴器とつながりますか?
- 当店の実機検証(2026年7月・OS標準構成/リサウンド SAVI 4 RIE)では、ASHAによる両耳ストリーミングを確認できました。お使いの補聴器側もASHA対応である必要があり、機種やファームウェアの組み合わせによって結果は変わります。
- BASIOやかんたんスマホから乗り換える意味はありますか?
- それらが補聴器ストリーミング(ASHA)に非対応の場合、We3に替えると電話・LINEの音声が補聴器に直接届くようになります。使い勝手はそのままに、補聴器との相性が良くなります。
- Pixel 10aとWe3、結局どちらが良いですか?
- コスパならWe3、次世代接続(LE Audio)と録音・文字起こしの使いやすさならPixel 10aです。補聴器をリサウンド SAVI 4のようなLE Audio対応機にする場合、Pixel 10aがその実力を引き出せます。
- iPhoneではダメですか?
- iPhone 16eもMFiで補聴器に直接つながります。iOSの設定画面から補聴器を操作できることや、Apple製品との連携が強みです。一方、価格やLE Audio、録音・文字起こし機能を重視する場合はPixel 10aが候補になります。どのOSが上かではなく、お使いの補聴器・端末・目的の組み合わせで選ぶのがおすすめです。
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補聴器とスマホの接続、当店でご相談ください
お使いのスマホと補聴器が「つながるか」だけでも、当店で確認できます。ご両親のスマホ選び、補聴器との組み合わせでお困りの方は、立川補聴器センターにお気軽にご相談ください。聞こえの測定から、スマホとの接続確認まで、認定補聴器技能者がサポートします。
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