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先日補聴器をご購入いただいたお客様より「補聴器に手持ちの指向性マイクを後付けできないか?」との質問をいただきました。補聴器には、bluetooth(MFI)で音声を外部入力することができますので指向性マイクを後付けすれば会議やセミナーなどで「任意の方向にマイクを向ける」ことができそうです。早速実践します。
構想
iPhone対応の補聴器(MFIヒアリングデバイス対応補聴器)は、iPhoneとワイヤレス接続することが出来、iPhoneのマイクで拾った音声を補聴器に送信する機能が搭載されています。(ライブリスニング)
接続イメージ
ライブリスニングを使いiPhoneを補聴器の外付けマイクとして利用します。その際、iPhone内蔵マイクは使わず指向性が調整できるマイクをiPhoneに接続すれば今聞きたい声の方向に指向性を向けることが出来そうです。今回はamazonでこちらのマイクを購入してテストしてみます。
Shure MV88 Digital Stereo Condenser Microphone
MV88の専用アプリ
今回購入したShure MV88には専用アプリがリリースされています。このアプリを使うと指向性の変更やイコライザの機能も使えます。ライブリスニング中の音質調整や聞きたい声の方向はご自身で調節することが出来ます。
【前方指向性】
【広めな前方指向性】
【イコライザ】
その他、録音機能や横方向の指向性もありますので現在色々試しています。横方向の指向性はお車の運転中や電車内での会話に役立ちそうですね。
MV88到着 早速iPhoneと接続してみた
amazonからMV88が到着しましたので早速iPhoneと接続してみました。設定は何も必要なくiPhoneのライトニングコネクターに接続するだけです。初回接続時、APPのインストールを求められますのでAPPストアよりダウンロードしてインストールします。
今回は、GNリサウンドの耳あな型補聴器「クアトロ9」をテストで使用します。
MV88は角度を変えることが出来ます。
5m離れた場所から演説を聞いてみる
約5m離れた場所から指向性マイクをつけたiPhoneでyoutubeの動画を見てみました。音声はharmanのスピーカーから出力しています。
音源はある有名アニメのシーズン1で銀河万丈さんが演じる演説です。「否!はじまりなのだ!」がヒントです。
静かな状態だと指向性の意味がありませんので掃除機と空気清浄器を回しながら聞きました。掃除機が回っていると健聴者の方も声が聴きにくくなります。
さらに扇風機も回しました。
入り口のドアを開けました。当店は車通りの多い道路に面していますのでかなりの騒音です。簡易騒音計で外の音を測定してみました。
ギレン総帥の演説は、iPhoneにつけた指向性スピーカーが拾いiPhoneのライブリスニング機能で補聴器に音声送信されています。
まずは補聴器だけで演説を聞いてみた
補聴器をつけてギレン総帥の演説が聞こえるか、試してみました。
掃除機とロードノイズで全く聞こえません。ちなみに今回補聴器は無指向性で調整しています。
MV88を取り付けしたiPhoneからライブリスニング
今度は、iPhoneにMV88を取り付けし、指向性を効かせてライブリスニング経由で聞いてみました。ノイズがやや下がりなんとか総帥の演説が聞こえました。もう少しノイズが下がれば聞き取れそうです。
補聴器側の設定でノイズ抑制はオフにしてあります。iPhoneからストリーミングする時用のプログラムを追加してノイズ抑制をもう少し強めにかければいい感じになるかもしれません。
効果が出れば簡易ロジャーになるかも
フォナック補聴器で補聴援助システム「ロジャー」が販売されていますが、受信機・送信機こみで15万円近くします。こちらの方法を使えばロジャーほど高機能にはなりませんが、任意で指向性を可変できる「簡易ロジャー」になるかもしれません。また、ロジャーはフォナック以外の補聴器と接続することも可能ですが親和性にかけてしまいます。またRICタイプの補聴器をご希望かつロジャーを使用したい場合、マーベルというシリーズ以外はロジャーと直接接続出来ません。
こちらで紹介した方法を使えばMV88(約16,000円)とiPhone、MFI対応補聴器の3点が揃えば簡易的なロジャーになりそうです。
ご意見ご感想をお待ちしております
すでにMFI対応補聴器とiPhoneをご利用でこちらの方法をお試ししてみた方はいらっしゃいますか?「このマイクを使ったらすごく良かった」「マイクを操作するアプリはこれがおすすめ!」などご意見、アドバイスがありましたらぜひお聞かせください。
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