
いつも当店のブログをご覧いただきありがとうございます。今回はご好評いただいております固定電話の音声を補聴器に送信する方法代4弾「リサウンドユーザー様向け」バージョンをお届け致します。こちらの内容は固定電話の件で当店にお問い合わせをいただいたご意見をもとに検証して記事にしました。
固定電話について過去の記事
過去、iPhoneとNTTフレッツ光のWi-Fiを使った方法、Tコイルを使う方法、テレビ用送信機を使う方法、電話回線をNTTから変更して送信する方法を検証しました。
今回はいたってシンプルです
03+を使う方法はマニアックすぎ、テレビ送信機を使う方法はフォナック補聴器のユーザー様に限定されてしまいました。今回はリサウンドのユーザー様限定になりますが、似たような装置があれば同じことが出来ます。
この記事でわかること
必要なものをそろえる
リサウンド マルチマイク
過去の固定電話関連の記事は、Mリンクや電話録音アダプターを使用して固定電話の音声を補聴器に無線送信して両耳で聞く方法でした。今回はリサウンドの補聴器限定になりますが、「マルチマイク」というリサウンドのオプション品を使います。

音質向上のために
過去の記事でフォナックの補聴器に電話音声をワイヤレス送信する方法をご紹介致しました。やはり電話から音声信号を取り出したほうが周囲のノイズの影響を受けにくいです。電話から音声を取り出すには下記を今回使用しました。
マルチマイク 4つの使い方
リサウンド マルチマイクは4つの使い方ができる万能な補聴器用の外部入力装置です。
1・お相手も持ってもらう
1つ目の使い方は、お相手も持ってもらいマイクに向かって話してもらうと音声がリサウンド補聴器にワイヤレス送信される使い方です。市販のワイヤレスマイクのように胸元にクリップで挟んで使用するイメージです。

2・イヤホンジャックを搭載、PCやTVと接続してワイヤレス送信
マルチマイクには3.5㎜イヤホンジャックの音声入力がついています。こことPC/TVのイヤホンジャックと接続すると音声が補聴器に送信されます。リサウンドからTVストリーマー/TVユナイト2という商品も発売されていますが、それと同様のことができるとお考えください。

3・ロジャーと接続する
マルチマイクには3ピンと呼ばれるロジャー受信機を取り付ける端子がついています。ここにロジャーXというフォナックから発売されいる受信機を取り付けるとリサウンドの補聴器にロジャーオンなどを利用できるようになります。

4・これが本題 Tコイルを使用する

Tコイルとは?
Tコイル(テレコイル)は、補聴器の機能を拡張するための技術で、磁場を利用して音声信号を受信する仕組みです。補聴器の内部に配置された小さな銅線のコイルが、磁場の変化を検知し、それを音声信号として処理します。
電話機やTコイルの送信機の近くに補聴器を持っていくと音声が補聴器に直接入力できるので周囲のノイズが入りにくくなります。マルチマイクには、この磁場を拾うことができ、その拾った音声をワイヤレスで両耳に送信が可能です。
今回の検証
さてここからが本題です。リサウンド マルチマイクには、マイクで音を拾う/Tコイルで音を拾う それを両耳にワイヤレス送信することができることをここまで説明致しました。どうやって受話器の声を拾うか、実用的か?検証していきます。
- マルチマイクを使い補聴器に音声送信
- 受話器に当てて声を直接拾う、Tコイル経由で音を拾う、電話録音アダプターを使ってオーディオ出力しマルチマイクで補聴器に送信する 3つの方法を試す
- フリーダイアルにかけて3種類を聞き比べ(録音して公開)
- テストに使った補聴器はこちらの聴力で調整(処方式DSLV5 REM実施)

検証1・受話器の音を直接マイクで拾って送信

電話のスピーカー部分にマルチマイクを当てて声を集音し補聴器へ音声をワイヤレス送信します。最も簡単な方法です。コードレス電話でも利用できそうです。ただし、受話器のそばに顔を持っていかないと話がしずらいディメリットがあります。
受話器にマイクを近づけて聞いた時(大きな音が出ます)
検証2・受話器の音をTコイルで拾う

受話器の聞く部分には磁場が発生していますのでこれをマルチマイクのTコイルで拾って補聴器にワイヤレス送信します。メリットとしては、周囲が騒がしい環境だと電話音声のみ送信されるので聞きやすい可能性があります。
受話器にマイクを近づけて聞いた時(大きな音が出ます)
検証3・電話の音声を外部出力、マルチマイクに入力して送信

フォナックの時と同じように電話音声を外部出力してそれをマルチマイクに入力、補聴器にワイヤレス送信する方法です。これのメリットは通常通り電話機をお耳に当ててお話しすれば声が補聴器に入ってくることです。(マイクを受話器に当てなくてもOK)
外部入力に電話録音アダプターより入力
比較方法は?
前回の記事でご紹介したバイノーラルマイク「美耳」に補聴器をつけて電話音声を録音しました。音質面や操作性を考慮して皆様で評価いただければと思います。

補聴器に送信した電話音声をバイノーラルマイク「美耳」で集音し(美耳は補聴器を着けています)、それをスマホ(GalaxyS23)に有線でつなげてレコーダーアプリで録音しています。
補聴器から聞こえる電話音声をAI文字起こしで比較
参考までにこの音声をGalaxyS23でAI文字起こししてみました。精度はいかに?






ある程度正確に文字起こし出来ているのは電話録音アダプター経由だと思います。
Windwos11標準AI「Copilot」に正解率を聞いてみた

①正確な文章
「リサウンドでございます。ご希望の内容を選択してください。案内途中でも操作できます。ご注文は1、納期確認は2、修理は3、補聴器の技術的なお問合せ、フィッティングソフト、GNカレッジは4、その他のご質問は9を押してください」
②AI文字起こし
「リサウンドでございます。ご希望の内容を選択してください。案内途中でも調査できます。ご注文はいい。早期確認。終わりに、研理は、3補聴器の技術的なお問い合わせ、ピッピングソフトディー N カリティは4、その他のご質問は、自由を押してください。 」
③AI文字起こし
「リサウンドでございます。ご希望の内容を選択してください。案内途中でも操作できます。ご注文は1納期確認は日曜日は。長期の技術的なお問い合わせ、ピッピングソフト家のカレッジはよその他のご質問は弱を押してください。 」
④AI文字起こし
「いただきまーす。 リサウンドでございます。ご希望の内容を選択してください。案内途中でも操作できます。ご注文は、1納期確認は、2修理はさん上記の技術的なお問い合わせ、ピッピングソフト DM カレッジは4、その他のご質問は、9を押してください。 」
①に対して②③④の正解率と最も正解が多い文字起こしはどれか教えてください

AI文字起こしの正解率を計算するために、Word Error Rate(WER)を用います。WERの計算式は以下の通りです:
WER 計算式 WER = (挿入 + 削除 + 置換) ÷ 元の単語数
①に対する各AI文字起こしの正解率
- ②の文字起こし:誤り数:約9〜10語 正解率:約 59%(WER ≈ 41%)
- ③の文字起こし:誤り数:約7〜8語 正解率:約 64%(WER ≈ 36%)
- ④の文字起こし:誤り数:約8〜9語 正解率:約 64%(WER ≈ 36%)
最も正解率が高いもの
③と④が**約64%**の正解率で並んでいますが、意味が正しく伝わるかという観点も重要です。
④には「いただきまーす。」という不要な挿入がありますが、③は誤認識の影響が大きいです。
この結果を総合すると、③または④が比較的正解率が高いですが、どちらがより実用的かは文脈次第です。
AIが聞き間違えしにくい方法、つまりマルチマイクで電話音声を補聴器に送るときには、マルチマイクのTコイル経由または電話アダプター経由がよさそうです。
まとめ
固定電話の音声を補聴器に送信する方法には、さまざまな選択肢があります。今回は「リサウンド マルチマイク」を活用し、受話器の音を拾う方法やTコイルを利用する方法、外部出力を補聴器へ送信する方法を検証しました。それぞれの手法にはメリット・デメリットがあり、利用者の環境や補聴器の仕様によって適した方法が異なります。
特にTコイルを利用すると周囲の騒音を低減し、電話音声をより明瞭に聞き取ることが可能になります。また、外部出力を活用することで、受話器を通常どおり使いながら補聴器で聞くことができ、利便性が向上することが分かりました。さらに、音声のAI文字起こしを行い、音声の質や認識精度を比較することで、最適な聞こえ方を探る参考になるかもしれません。
補聴器利用者様が固定電話の音声をより快適に聞き取るために、自分の機器に合った方法を選び、必要に応じて設定を調整することが重要です。本記事が、その選択の一助となれば幸いです。
この記事が気になったら

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