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ベルトーン補聴器「トラスト(trust)」のご紹介 made for iPhone対応補聴器

1940年に創立されたベルトーンはアメリカ イリノイ州に本社をおく補聴器メーカーです。Beltone製品は、米国、カナダ、世界40カ国以上で販売されています。日本ではニュージャパンヒアリングエイド株式会社(NJH)が1985年より独占技術提携を結び総代理店として製造、販売を行っています。

補聴器の形状

カスタムメイド(耳あな式)、外耳道内レシーバータイプ(RICタイプ)、BTE(耳かけ型)をラインナップ。耳あな式の中には、集音する部分をお耳のヘリックス部分に格納する外マイク式(MIEタイプ)があり耳介の集音効果を得ること風切り音を抑制しやすい補聴器もリリースしています。

ベルトーンの歴史

  • 1940年:Sam Posenがイリノイ州シカゴでBeltoneを開き、モデルHの補聴器を紹介
  • 1944年:ベルトーンが業界初のオールインワン補聴器であるMono-Pacを発売
  • 1946年:ベルトーンがHarmonyをリリース – その時に利用可能な最小の補聴器
  • 1971年:ベルトーンは本社で難聴の研究開発を開始
  • 1979年:カナダでベルトーンがビジネスのためにオープン
  • 1983年:ベルトーンは最初のカスタム・イン・ザ・カナル(ITC)補聴器を発表
  • 1985年:ニュージャパンヒアリングエイド株式会社と独占技術提携
  • 1998年:ベルトーンがデジタルテクノロジーを搭載した初の補聴器「Beltone Digital」を発売
  • 2000年:GNグループに買収され合併
  • 2011年:ハンドヘルドデバイスからの2.4GHzワイヤレスストリーミングを提供することができる補聴器であるBeltone トゥルー
  • 2014年:ベルトーンがファーストをリリース- iPhone補聴器用に最初に作られたもの
  • 2014年:ベルトーンがブーストをリリース – 重度から重度の難聴を抱える人々のために設計されたもの
  • 2015年:ベルトーンがレジェンド iPhone用の耳あな式補聴器を市場に出した
  • 2016年:ベルトーンは、重度から重度の難聴を抱える消費者のためのスーパーパワー補聴器のBoost Plus
  • 2017年:ベルトーンはトラストの発売を発表 – Remote Care™機能の使いやすさと柔軟性により、まったく新しい聴力ケア体験を可能にしました。

参考サイト


参考
GNリサウンドの歴史リサウンドの本国サイト


参考
ベルトーンの歴史wikipedia

※wikiより抜粋 一部加筆いたしました

ベルトーンの補聴器の特徴

  • 6KHz以降の周波数をあまり上げすぎない(調整できない)
  • 小さな音、高い周波数の音をあまり強く入れない優しい音
  • 指向性をフル活用し様々な環境に対応
  • 豊富なオプションがワイヤレスでつながります
  • 現行機種「トラスト」、1世代前モデル「レジェンド」の一部機種はiPhone/iPadと直接接続が可能

ベルトーン最新モデル(2017年12月)

トラストには3グレードがリリースされています。

  • トラスト17 調整チャンネル:17ch 環境別騒音抑制(片耳490,000円~520,000円)
  • トラスト9 調整チャンネル:14ch 騒音抑制4段階(片耳280,000円~300,000円)
  • トラスト6 調整チャンネル:12ch 騒音抑制3段階(片耳220,000円~240,000円)

当店がベルトーン「トラスト」をおすすめする理由

音質がよい

ベルトーン「トラスト」は前モデル「レジェンド」と比較し音質がかなりクリアーになりました。「レジェンド」をご利用の方が当店にはたくさんいらっしゃいますのでベルトーン レジェンドの調整は心得ております。多数のレジェンドを調整していたのでトラストの音を聞くと「高音」がうるさすぎなく、よりクリアーになったことがわかります。

ワイヤレスアクセサリーが豊富

離れた場所からの声、多人数での会話は補聴器装用者様にとってかなり聞きとりにくいシーンです。そうったいシーンに対応するため、「フォナック」からはロジャーというワイヤレス装置が販売されいます。ロジャーは学校、企業などで使用することを想定しているためかなり高額です。

ベルトーン トラストのワイヤレスオプションは、20,000~40,000円と比較的お求め安い金額となっています。テレビの音声、電話の音声、離れた方の音声を無線で補聴器に送るシステムが安価で充実しているところがおすすめポイントです。特にテレビの音声を無線で補聴器に送る「テレビリンク2」はテレビの聞き取りを重視されるお客様にかなり重宝されているオプションです。

耳あな式でmade for iPhone対応

最近の補聴器にはMFIヒアリングデバイスという機能があります。(MFIについて詳しくはこちらをご参照ください)ベルトーン、兄弟会社のGNリサウンドは耳あな式のMFI対応補聴器を唯一リリースしています。MFI機能は否定的な方もおられますが私は推進しています。iPhoneには、電話・LINE・スカイプなどこのコミュニケーションツールがあり健聴な方はiPhoneの受話口をお耳に当てればその音声を聞くことができます。補聴器を装用されている方はiPhoneからの音声をお耳に当てて聞くことが難しい場合もありますので、このMFI機能を活用しお耳にiPhoneからの音声をクリアーにお届けして様々なコミュニケーションをとっていただきたいと私は願っています。またモンストやドラクエなどのBGM・音声もMFI機能によりクリアーに聞こえますので、補聴器を装用していてもゲームなどiPhoneの世界に没入することができるのではないでしょうか。

日本製のシェルがいい

ベルトーン補聴器は、日本ではニュージャパンヒアリングエイド株式会社(通称NJH)が輸入し組み立て、製造、販売を行っています。

耳あな式補聴器はお耳の型をとり、それをもとにその方専用にお作りするオーダーメイド式が一般的です。耳あな式補聴器で、お耳の中に入れる部分をシェルと呼びます。現在補聴器のメーカーは耳あな式補聴器を作る際、オートシェルという3Dプリンタのような機器で作っていますがNJHはこのシェルをすべて職人の方が手作りで作っています。手作りなので細かいところまで配慮が行き届き、様々なカスタマイズを行うことができます。「お耳の中の皮膚にしわがある」「お耳の穴がまっすぐなので補聴器が抜けてくる」「ハウリングがしやすいのでお耳の中を形状をぴったりさせてほしい」等のご要望にお応えできる技術力をお持ちです。また、手作りで作ったシェルの中にアンプ、レシーバーなどパーツを組み込んでいくのですが組み込みで問題ない個所はある程度厚みを持たせています。そのため強度のあるシェルが出来上がり作りが頑丈です。

耳あな式補聴器を「かち割」したところです

ベルトーンのシェルは、東京、大阪、福岡のNJHのラボで作製され日本人が日々、シェルをおひとりおひとりに合わせ手作りで作っています。内部パーツは、アメリカのベルトーンから輸入していますが実際お耳に触れる部分は日本人によるmade in Tokyo,Osaka,Fukuokaです。NJH社 社長徳永様が弊店に来店された際に伺いました。「シェルの出来が良いのでアメリカから日本にベルトーンの補聴器を購入しに来るかたが多数いる」そうです。ものづくり日本の職人魂が補聴器も「逆輸入」にしてしまったようです。

 

当店の「ベルトーン」補聴器の調整

補聴器は細かな調整を行いご購入された方のお耳に合わせていきます。これをフィッティングと業界では呼んでいます。現在のデジタル補聴器は、病院やお店で測定した聴力グラフ(オージオグラム)をパソコンを使って補聴器にインストールすることで補聴器が自動でその方の聴力に合わせて自動調整を行っています。この調整をファーストフィット(初期調整)と呼びます。

ファーストフィットは参考程度、ほぼ無視

ベルトーンの補聴器は「BAFA(バッファ)」という計算式で聴力に対し音を作っています。BAFAは比較的「初心者向け」の調整になり、当店が推奨する「低音から高音まで一定の音で聞こえる」装用閾値「なで肩」の聞こえにほぼならないことが今まで経験からわかっています。

ベルトーンのファーストフィット

①お客様にご提案する補聴器を選択します

 

 

②聴力から「BAFA」という計算式で計算された音が表示されます。

 

右上のグラフをご参照ください。点線で表示されている部分がファーストフィットで出てきた補聴器の出力(正確には利得で表示しています)です。左から右へ低い周波数から高い周波数まで並んでいます。現在の調整は左側がファーストフィットより上がっており、「低い周波数」の増幅を上げていると読み取ることができます。ベルトーンの補聴器は、ファーストフィットで自動調整すると1KHz付近にピークを持たせるような調整になることが多いのですが、たしかにこれだと「こもり感が少なく」「キンキンカンカンする高い音」が抑えられ聞き心地の良い補聴器になるかもしれません。ただ、母音の成分は500Hz付近にありますのでここを落としてしまうと言葉の判別力(明瞭度)が悪い補聴器調整になってしまうこともあると思います。

メガネ屋さん、デパートで購入されたベルトーン補聴器の再調整を依頼されることがよくあります。そういったお店様には補聴器の音を調べる「特性器」や補聴器を着けたまま聞こえを測定する「音場装用閾値測定の装置」がないためでしょうか、このファーストフィットで終わっているケースを散見します。2017年だけで10件ほど他店様で購入されたベルトーンの補聴器を再調整しました。「デパートで購入したベルトーン、NJHの補聴器が良く聞こえない」とお感じの方、ぜひ当店にベルトーン補聴器を持ってご来店ください。

立川補聴器センターのベルトーン補聴器調整

上記で述べたようにベルトーンのファーストフィットはあまり精度が高くありません。ただ、調整の自由度は低価格補聴器でもある程度あります。つまりしっかり調整をしてお耳に合わせることができれば良い補聴器に仕上がります。ここは調整者の腕の見せ所ではないでしょうか。下記の調整内容は、弊店勤務言語聴覚士とわたしが何度もお客様の調整後にディスカッションを行い「かたちになった」当店流ベルトーン補聴器の調整ルールです。

1)・ファーストフィットまでは同じです

まず測定した聴力から補聴器をファーストフィットします。当然、このままではお耳に合いません。

2)・各種初期設定をすませ、特性器で補聴器を測定します

特性器という補聴器から出力される音を計測する機械で補聴器を測定します。(片耳づつ)

下記のグラフ、数値は実際にベルトーンの補聴器「レジェンド」を調整し補聴効果の測定まで行ったお客様の事例です。こちらの方は遠方から引っ越されてきた方で当店に調整の依頼で来店されました。

  • 右耳 片耳装用
  • イヤモールドを使用
  • 主訴:リモコンのボリュームで音量を上げても言葉が聞き取れない
何を測定しているのですか?

ベルトーンの補聴器を調整する際は必ず特性器を使って当店は調整しています。補聴器を着けたときの聞え(装用音場閾値)は、気導聴力の半分(ハーフゲイン)または、35dB以内が理想とされいます。(補聴器の適合指針2010より引用)また、ゼロから始める補聴器診療の著者、新田清一先生は「ハーフゲインなで肩」が理想とおっしゃられています。なで肩とは、500Hz、1KHz、2KHzのはハーフゲイン程度で水平に、250Hzと4KHzは5dBづつ装用閾値を落とすことです。(下記のグラフで両端の黒▲が下に下がっていること)

 

補聴器から出力される音を計測し補聴器特性図とオージオグラムを用いた装用閾値の簡易推定法を使って補聴器が大きくしている音が装用閾値の上昇とある程度一致していることを確認します。確認だけではなく特性器上で「これくらい音を大きくしたらこれくらいの聞こえになる」ことを予測し音を作っていきます。

こちらのオージオ・特性図を使って1KHzの聞こえを読み解きます。

●この方の1KHzの気導聴力:70dBHL

●このの1KHzの聞こえ(装用閾値)の目標値:35dBHL(ハーフゲイン 補聴器を着けたら70dBの半分、35dBで音が聞こえ始めるようにすること)

⇒つまり補聴器を着けたら1KHzの音が健聴者が聞く70dBより35dB分大きく聞こえればよい

●補聴器の音を測定 60dBの音を補聴器のマイクに入れたら何㏈で補聴器から出力されるか?

⇒60dBの音は、補聴器からは92dBで出力された

●この方は裸耳で1KHzが70dBで聞こえるが、補聴器を着けると32dB分大きく聞こえ、装用閾値40~35dBHLくらいで聞こえ始めると予測できる

※下記のPDF、参考書を参考にしています。

https://www5.techno-aids.or.jp/yoshiki/doc/data2.pdf

https://www.amazon.co.jp/dp/4498062728

3)・補聴器を装用いただき測定を行います

当店では、装用音場閾値測定という方法で補聴器をつけたときの補正された聞こえを測定しています。この測定の結果、装用者様が35dB付近で1KHzの音が聞こえていれば上記で説明した特性器での調整がある程度あっていることがわかります。

もちろん1KHzだけではなく、250dB~4KHzまで同じ方法で特性器を使い測定と調整を行い、最終的に装用者様のお耳で音場装用閾値を測定します。この結果が図2で示した目標値とかけ離れていたり、特定の周波数だけ聞こえが悪い場合にはどこかで音がお耳に伝わっていなかったり(音漏れ)、補聴器側で何か抑制がかかっていたりすることが予測されます。まずは補聴器を着けたときの聞え、装用音場閾値がフラットな形になるように特性器で音を整えていきます。

4)・ベルトーン補聴器をつけて言葉の聞き取りを測定します

最後の最後で調整と測定の仕上げです。250Hz~4KHzの周波数における聞こえが目標値(ハーフゲインなで肩)に近づいたら、今度は言葉がしっかり聞き取れるか確認します。そう、語音明瞭度を補聴器を着けて測定を行うんです。この語音明瞭度の評価方法についてはここでは割愛いたします。上記リンクより「販売店における補聴効果の確認方法」をご参照ください。

 

その他にも騒音の許容評価、質問用紙を使った評価なども行っておりますがすべてここに書ききれないのでこの辺で調整については終わりにしたいと思います。またかなり時間をかけて調整していることをお分かりになられたと思います。実際に2)の特性器での調整はしっかり行うと両耳で1~2時間かかります。店頭の調整では、調整のご予約を入れ、お店が閉店した後、私やなな先生が特性器とにらめっこしながら調整しておき、お客様のご来店に備えています。

もっとお知りになりたい方、実際上記の調整を受けてみたい方は当店までご予約・ご来店ください。

ベルトーン補聴器 形状の紹介

ベルトーンの補聴器は耳あな式6種類、耳かけ式6種類の計12種類が販売されいます。ご聴力やお耳の状態、補聴器装用者様の好み、見た目に合わせて選ぶことができます。ですが、ベルトーン補聴器の最大の魅力であるワイヤレス機能、made for iPhone機能が一部の補聴器に搭載されていません。また、前後の音のバランスを取る指向性を搭載していないモデルもあります。

ワイヤレスの有無、made for iPhone対応の有無、指向性の有無、電池サイズなど比較できる部分をピックアップして解説していきます。

型番の読み方

ベルトーンの補聴器は「器種名」+「グレード」+「形状」+「指向性の有無」+「ワイヤレスの有無」+「充電式か電池式か」で並んでいます。下記はNJHさんのHPの一部を拝借しました。型番しか書いていなく、これを解読するのはNJHの人でないと無理なのではないでしょうか。トラスト9 RICタイプを例にとります。

●Trust 9 63DW R これを解読すると「トラストのグレード9、外耳道内レシーバータイプで小型(63型) 指向性あり、ワイヤレスあり、充電式」

「やさいましまし、にんにく、あぶら、からめ」みたいで業界に精通した人でないとまったく意味がわかりません。でも、そこをかみ砕いてわかり易く説明するのが当店ブログのモットーです。暗号解読の一覧を作製しました。

形状とその名称

耳かけ型

  • RIC・・・外耳道内レシーバータイプ(Receiver in canal)の略
  • BTE・・・耳かけ式(Behind The Ear)の略
耳あな型

  • CIC・・・Completely In the Canalの略
  • ITC・・・In The Canalの略
  • ITE・・・In The Earの略
  • MIE・・・Mic In Earの略 外マイク式補聴器
形を決めるときの目安

トラストは補聴器の形だけで11種類もありお客様としてはよくわからず迷ってしまうかと思います。そこで実際わたしが店頭で形状を決める際によくお客様にお聞きしている内容をフロチャートでまとめてみました。もちろん聞こえが優先ですので「ご聴力」「言葉の聞き取り(明瞭度)」「ご年齢」「手先の器用さ」など判断する材料はまだまだたくさんあります。ただ、お客様目線で立ってみるとまずは、「きちんとお耳につけられるか」、「脱落して紛失しないか」、「見た目はどうか」、「必要としている機能が備わっているか」だと思います。下記フロチャートはお客様目線で作ってみました。

  • マスクは耳かけ式補聴器の大敵です。花粉症や風邪をひきやすい方、食品・医療関係のお仕事の方はマスクをする機会が多いと思います。脱落、紛失のことを考え耳あな式をおすすめいたします。
  • トラスト最大の魅力はiPhone/iPadを使った補聴器の操作、音質調整、遠隔サポートでしょう。特にその機能が必要ない方はどのモデルを選んでも大丈夫です。(聴力によります)
  • ゴルフ、サイクリング、ランニングのご趣味があるかたは「タッチ」をおすすめいたします。風切り音を拾いにくい機構になっており不快な「ぼーぼー音」が和らぎます。
  • 見た目が気になるがiPhoneは使いたいかたはRIC型一択です。小型で目立ちにくく聴力の適合範囲も広いのでどなたにもおすすめできる補聴器です。

ベルトーン補聴器「トラスト」の価格

他メーカーもそうですが、グレードを選び、形状を選びそして価格が出てきます。耳あな式、耳かけ式でお値段が違いますので注意が必要です。(比較表をクリック、タップで拡大します)

 

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