こんにちは、立川補聴器センターです。
現在補聴器メーカーから続々と補聴器の遠隔サポートサービスがリリースされています。「音がキンキンするので微調整してほしい」「ボリュームボタンの動作を変更してほしい」などの微調整はお店に足を運んで調整が必要でしたが、これからご紹介するオーティコン補聴器の「オープン・オープンS・エクシード」はスマホとインターネットの環境があればお店に行かなくても調整ができるようになりました。
もちろん補聴器を購入したお店でそういったシステムをメーカーと契約していないと遠隔で調整を受けられません。これからの補聴器選びには、「遠隔できるメーカーか?」「補聴器を購入するお店が遠隔に対応しているか?」も選択肢に入ると思います。
遠隔調整に対応できるメーカー(2020年5月現在)
現在遠隔調整できる補聴器は大きくわけて2種類あります。
- ほぼすべての調整がおこなえるメーカー
- 簡易的な調整しか行えないメーカー
当ブログでは、2020年4月、5月にローンチされた「ビデオ通話をしながらほぼすべての調整がおこなえるメーカー」オーティコン補聴器のリモートケアについて初期設定方法から実際にリモートして調整するまでをご紹介いたします。
スマホ/タブレットと対応補聴器があればOK
オーティコンとリサウンドの補聴器は、特に専用機器は必要なくスマホと通信環境があれば遠隔調整がご利用いただけます。ただ、下記の条件が揃わないと遠隔の調整が受けにくくなりますので補聴器購入前にスマホと通信環境を一度チェックしておいたほうがよいでしょう。
iPhone/Androidスマホ
iPhoneは、iPhone6S以上が必要です。(最新のiOSがインストールされていること)アンドロイドのスマホは、andorid8.0以上のバージョンが必要です。
Wi-Fi環境
通常スマホはLTE(4G)という携帯キャリアの電波を使って通信を行っていますが、ご自宅や会社ではWi-Fi(無線LAN)で接続することが多いと思います。遠隔調整を4Gで行う場合、契約している「ギガ数」が少ないと通信の上限になってしまい極端に通信速度を抑えられてしまいます。遠隔調整はビデオ通話や調整したデータを送信する必要があるため「ギガ」を消費します。制限のないWi-Fi環境下でご利用されることをおすすめします。
アプリ
オーティコン「リモートケア」アプリをスマホ/タブレットにダウンロードする必要があります。課金やサブスクはありませんので予めダウンロードしておきましょう。
遠隔調整を行うための設定をしよう
メアドが必須
オーティコン「リモートケア」を利用する場合、下記のアカウント何れかが必要です。
- Apple ID(icloud.comなど)
- Googleアカウント(gmai.com)
- facebookのアカウント
iPhone/iPadをご利用の方はApple ID、アンドロイドのスマホ/タブレットをお持ちの方はGoogleアカウントは既にお持ちだと思いますので新たに作る必要なございません。
遠隔調整用アプリをダウンロード
アンドロイドの方はプレイストアより、iPhone/iPadの方はAPPストアより専用アプリをダウンロードしてスマホにインストールしましょう。イントールするアプリは上記に記載しています。
補聴器とスマホをペアリング
補聴器とスマホを紐付けする作業「ペアリング」が必要です。iPhone/iPadとアンドロイドはペアリング方法が異なりますので注意が必要です。
オーティコン「リモートケア」が対応できるAndoridのバージョンは「8」以上です。Google Playに記載されている推奨スマホを見るとSamsung Galaxy S7以降、Google Pixel 2などが記載されていますのでおそらくメモリ4GB以上のアンドロイドスマホが対象のようです。また、現在のOSがAndroid8以上にアップデートできる場合、Wi-Fi環境下でアップデートしておきましょう。
iPhon6Sでリモートケアを設定してみる
ここからは、iPhone6Sを用いてオーティコン「リモートケア」を接続してみます。リモートケアを受ける側、調整する側がどんな感じでみえるのか気になるところですよね。
1.APPストアで「oticon remotecare」を検索
2.iPhoneと補聴器をペアリングします
ペアリング済みの方は8までスキップ
補聴器の電池蓋を開け、再度閉めます。オーティコンの補聴器は電源のオンオフを行うと3分間ペアリングモードになり外部機器との接続を受け付けします。
3.設定を開きます
4.アクセシビリティをタップ
5.下にスクロールして「ヒアリングデバイス」をタップ
6.MFIヒアリングデバイスに「oticon opn」の表示が出るまで待ちます
※検索中のままOticon opnが表示されないことがあります。その場合、補聴器の電池蓋を再度開閉しペアリングモードにしてしばらく待ちます。
7.ペアリングの要求
ペアリングの要求がでますので「ペアリング」を押してペアリング完了です。両耳の場合、2回ペアリングの要求が出ますので2回ともペアリングを押してください。
8.オーティコン「リモートケア」アプリを起動します。
9.アプリを開いて「サインアップ」をタップ
10.今回はAppleIDを使ってリモートケアに接続します。Apple IDをタップ
11.「microsoft online」を使用しようとしていますとでますので「続ける」をタップ
12.表示名(お名前、ニックネーム)、Apple IDを入力
表示名には「お客様名」またはニックネーム、email addressにはapple IDで使っているメールアドレスを入力します。(icloud.com、me.comなど)
入力後確認コードの送信をタップします(二段階認証を行います)
13.確認コードを入力
コード:●●●●●● 6桁の確認コードを控えておきリモートケアアプリに戻ります
14.確認コードを入力して「マイアポイント」にすすみます
マイアポイントを押すと補聴器を購入したお店に接続し、接続待機の状態になります。ここから先はお店の方がパソコン上でお客様のiPhoneと接続しないと先に進みません。事前にお店の方へ電話やメールで「●日の▲時よりリモートケアを行いたい」旨を伝え予約を取っておきましょう。
アポイントをとってリモートケア スタート
お店の方と日取りや時間の打ち合わせが出来ていたら、その時間にマイアポイントを押してリモートケアを開始します。リモートケアでお見せの方とiPhoneがつながるとL・Rと書かれた部分が緑に変化します。
リモートケアを使ってお店の方と調整の相談をする際、2つの方法でコミュニケーションをとることが出来ます。
ビデオ通話
LINEやZOOMのビデオ通話のようにお店の方とiPhoneを使ってビデオ通話で調整の内容などを打ち合わせします。
この画像はお店の方から見たときのPCをスクショしたものです。
チャット
チャットを使ってコミュニケーションをとることも出来ます。
ビデオ通話の際、音声はiPhoneのスピーカーから出力されます。オーティコン OPNには「MFIヒアリングデバイス」という機能がありiPhone/iPadの場合、電話の音声が補聴器に送信される補聴器から直接聞くことができます。ただ、リモートケアのビデオ通話の際、音声はiPhoneのスピーカーから出力されますのでご注意ください。(オーティコンさん、ここは要改善ですね、トークオーバーのような機能を持たせ会話の際は、音声が補聴器にストリーミングされる機能の追加を希望します。)
ビデオ通話の懸念点
ビデオ通話の際、ご自宅の中など背景がお店の方に見えてしまいます。(気になる方はちょっと嫌だと思います)その際、iPhone側の操作で映像をお店の方に見えないようにすることができます。
カメラとかかれたボタンを押すとお店の方はこう見えます。
スマホアプリのカメラボタンを押すと映像の送信が止まり音声だけお店の方に送信されます。(ZOOMのようにご本人だけを残して背景を変えることは現在できません。)ご自宅の中を見られたくない場合この機能をご利用してみてはいかがでしょうか。
リモートケアで「出来ること」
オーティコン補聴器のリモートケアはお店で行う調整とほぼ同等のことができます。各メーカー補聴器メーカーから遠隔調整の機能がリリースされていますが、一部のメーカーは遠隔調整で出来ることがほぼない場合もあります。
各周波数ごとの利得調整
騒音抑制(オープンサウンドナビゲーター)の強弱、レベルの調整
ボリュームボタン、プログラムボタンなどの動作変更
スマホ接続時の音質調整(iPhone/iPadのみ)
リモートケアで「出来ないこと」
耳鳴り治療機能
こちらは医療機関内で医師の監視下のもと使うことができる機能です。販売店でこの機能を使うことはできません。またリモートでもできないように警告がでるようになっています。
インサイチュ測定(オージオグラムダイレクト)
補聴器を使って聴力を測定する機能「インサイチュ測定」はリモートケアで行うことが出来ません。(他メーカーはできるようですが、オーティコンは使用できないようにロックがかかっています)
まとめ
今回は4月上旬にリリースされたオーティコン補聴器の遠隔調整システム「リモートケア」についてご紹介致しました。
現在、遠隔調整ができるメーカーは下記のメーカーです。
- リサウンド
- シグニア
- スターキー
- ワイデックス
今後フォナックも追従する予定とのことです。
持論ですが、1から10まですべて補聴器を遠隔調整することは難しいと思います。初回はお店にご足労いただき「禁忌八項目の確認」「補聴器調整のための聴力測定」「販売店における補聴効果の確認」を対面で行う必要があります。また、補聴器から音漏れが起きハウリングしていないか、耳栓は適切なものが選択されているか、オーダーメイドの耳栓が必要、耳型採取を行う必要があるなど対面しないとできない調整や測定が補聴器調整にはまだまだたくさんあります。
数回お店に足を運び補聴器の形状や耳栓の選択、補聴効果の確認(補聴器をつけた時にどの程度聞こえが改善しているか)を行った上でその後の微調整をリモートで行っていくのがベストだと考えております。すべてリモートで補聴器の調整が終わるわけではありません。ご理解のほど宜しくお願い致します。
当店で遠隔調整を実施しているメーカー
当店では現在、「オーティコン」と「リサウンド」の2社のみ遠隔で調整を行っております。(上記に記載した内容が終わったお客様より)今後フォナックも遠隔を行う予定ですがフォナックはまだ遠隔のシステムがリリース前なので時期は未定です。
今後リモートできるメーカーが増えましたらこちらのブログでご紹介いたします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
立川補聴器センター
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