【UPDATE】総合支援法対応補聴器まとめ～高度難聴耳かけ型補聴器編～

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総合支援法を適用して交付される専用補聴器「高度難聴耳かけ型補聴器」の記事が大変ご好評をいただいております。新しい補聴器が各メーカーから出てきておりますので記事を更新致します。最後までご覧いただければ幸いです。

▼2022年度　UPDATE版を掲載しました！最新情報はこちらをご覧ください。

2022年　総合支援法補聴器　まとめ

総合支援法による補聴器交付手続きについて

難聴が高度・重度で、身体障害者手帳の基準に適合する場合は、障害者総合支援法による補装具費支給制度を利用することができます。原則として、費用の1割を利用者が負担することとなります。ただし、所得に応じて一定の負担上限が設定されています。また、補装具は原則として1種目について1個の支給が対象となります。

聴覚障害程度等級表

級別	対象器種の目安	聴覚障害
2級	重度難聴用	両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの
3級	重度難聴用	両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの（耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの）
4級	高度難聴用	１．両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの（耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの）２．両耳による普通話声の裁量の語音明瞭度が50パーセント以下のもの
6級	高度難聴用	１．両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの（40センチメートル以上の距離で発声された会話語を理解し得ないのも）２．一側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの

（GNリサウンド　総合支援法対応補聴器カタログより抜粋）

補聴器購入基準価格

重度難聴用ポケット型	55,800円
重度難聴用耳かけ型	67,300円
高度難聴用ポケット型	34,200円
高度難聴用耳かけ型	43,900円

MEMO

今回の記事は上記の4種類の基準価格より高度難聴耳かけ型に該当する補聴器をご紹介していきます。総合支援法対応の耳かけ式補聴器とは、上記制度を適用した方のみが購入できる専用の補聴器です。メーカーにより器種が異なりますが、こちらの制度専用に作られた補聴器を各メーカー用意しています。

総合支援法対応補聴器　よくある質問

弊店は総合支援法に該当するご聴力の場合、支援法を適用して補聴器をご購入いただくことをおすすめしております。また支援法についてのご質問をお電話やメール、店頭でいただくことが多いので「よくある質問」をまとめてみました。

総合支援法対応補聴器は性能が良くないと聞きましたが本当でしょうか。

一部のメーカーは最上位モデル、または上位グレードの補聴器を支援法対応補聴器にしています。

上位モデルが支援法のメーカー

●GNリサウンド

ダナロジック・アンビオという名称の補聴器が支援法対応モデルです。こちらの補聴器は、GNリサウンドの最上位モデル「リンクス3D-9」「エンツォ3D-9」の一部機能を外した補聴器です。

●シーメンス/シグニア

コントラストという名称の補聴器が支援法対応モデルです。コントラストは、プライマックスという補聴器のシリーズの上から2番目「5PX」と同等の性能を持っています。

●オーティコン

オーティコンより発売された「オープンプレイ２　耳かけ型プラスパワー」が支援法対応モデルとなり「オープン3」程度の性能をもっています。

高度難聴耳かけ型片耳で総合支援法を取得しました。耳あな型に変更することはできますか？

可能な場合もございます。福祉課の担当ケースワーカー様に必ずご相談ください。

総合支援法による補装具支給制度では、「高度難聴耳あな型（オーダーメイド）」というカテゴリーで支給を受けられる場合がありますが、耳あな型で支給を受けることができる場合は非常に限られています。（ヘルメットをかぶるお仕事をしているなど）

耳かけ型で支給を受けることが決定しましたが、耳あな型に変更する場合差額をお支払いいただくことで変更することが可能な市町村もあります。東京都の場合、管轄する東京都心身障害者センターに問い合わせしたところセンターとしては、差額をお支払いいただいて変更することは可能、あとはお住まいの市区町村の判断になるとの回答をいただきました。

注意

支援法により「耳あな型」で支給を受けることと「耳かけ型」で支給を受け差額を払って耳あな型に変更するのは内容が大きく異なります。詳しくは最寄りの市区町村福祉課にご相談ください。

片耳で支給を受けることが決まりましたが両耳支給を受けられますか？

お住まいの市区町村福祉課にご相談ください。

支援法対応モデルは「made for iPhone」に対応していますか？

オーティコンから発売された「エクシード」「オープンプレイ2　耳かけ型プラスパワー」が対応します。

補装具意見書に「専門的知識を有するもの」の欄が要とありました。どういう意味でしょうか。

言語聴覚士または認定補聴器技能者による補聴器調整が必要です。

専門的知識を有するものが要の場合、言語聴覚士または認定補聴器技能者が調整を行う必要があります。また、調整を行い総合支援法対応補聴器をご納品した後、補聴器を販売したお店は市区町村の福祉課に「補聴器作製・適合連絡シート」と「補聴器の周波数特性図」の提出をおこなわなければいけません。総合支援法による補装具支給決定を受けた場合、相談するお店に「言語聴覚士」または「認定補聴器技能者」が在籍するか？「補聴器特性測定器」を設置してあるか必ず確認しましょう。

参考
補装具費支給意見書東京都ホームページ

総合支援法対応補聴器　メーカーごとの違い

総合支援法対応の補聴器は各メーカーからリリースされていますが、その性能にかなり差があります。最新器種やひとつ前のモデルの中堅器種を投入してくるメーカーもあれば2世代前のモデルをそのまま使用しているメーカーもあります。それらすべてを試聴し比較することは時間的に難しいと思います。お客様より「総合支援法対応の補聴器をわかり易く説明してほしい」というご意見や当店WEBサイトの検索履歴からも「総合支援法対応」のワードが多数ございます。オープンなかたちで補聴器をご紹介していきたいのでこちらの比較まとめを作ってみました。

▼2022年度　UPDATE版を掲載しました！最新情報はこちらをご覧ください。

2022年　総合支援法補聴器　まとめ

下記は旧記事です。最新情報は上記リンクより2022年度版をご覧ください。

シーメンス/シグニア　「コントラストHP+」

2019年11月にリリースされたシーメンス/シグニア補聴器の支援法対応モデルが「コントラストHP+」です。コントラストは同社の1世代前モデル「プライマックス」シリーズの上から2番目のグレード「5プライマックス（5PX）」をベースに作られています。チャンネル数が多く、3種類の雑音抑制を搭載、大きな音に対し抑制を効率よくかけられるのが特徴です。数ある支援法対応モデルの中で「突発音」の抑制を強くかけられますので物が当たる衝撃音が苦手な方はこちらの補聴器をおすすめしています。また、コントラストHP+は風切音を検知して抑制する機能も強くかけられます。

メーカー名	シグニア補聴器（シバントス株式会社）
ベースモデル	５プライマックス
チャンネル数	32チャンネル
電池サイズ	PR48(13)
電池寿命（通常使用）	約260時間
メーカー保証	1年
防水防塵性能	IP67
リモコン対応	〇（別売スマートリモートが必要）
スマホからの音声送信	〇（別売スマートコネクトが必要）
テレビからの音声送信	〇（別売スマートコネクトが必要）
カラーバリエーション	3色

シグニア「コントラスト」

〇チャンネル数が多いのできめ細かい調整ができる

〇突発音の抑制機能を搭載

〇両耳装用で高度な指向性機能が使える

▲カラーバリエーションが少ない（3色）

GNリサウンド　ダナロジックアンビオ

2019年4月にリリースされたGNリサウンドの支援法対応モデル「ダナロジックアンビオ」。同社の1世代前モデルの最上位「リンクス3D-9E」をベースにしたハイスペックモデルです。GN社といえばiPhone対応の補聴器を全面に謳っていますが、アンビオにはiPhoneから音声を直接送信する機能はありません。オプションで用意されている「携帯ユナイト」を使用することでiPhone/androidなどスマホから音声を補聴器に送ることができます。

ダナロジックアンビオの補聴器は今いる環境、騒音を6種類に分別してお耳に対し最適化する機能「環境適応システム２」を搭載しています。こちらは同社の補聴器で最上位モデルのみに搭載されている機能なのですが、支援法対応モデルになんと搭載されています。「支援法対応モデルは低スペック」これは昔のお話、ほぼ文句の付け所がない高性能な補聴器に仕上がっています。

メーカー名	GNリサウンド（GNヒアリングジャパン株式会社）
ベースモデル	リンクス3D-9E
チャンネル数	17チャンネル
電池サイズ	PR48(13)
電池寿命（通常使用）	約220時間
メーカー保証	1年
防水防塵性能	IP58相当（等級取得していません）
リモコン対応	〇（別売リモコンユナイトが必要）
スマホからの音声送信	〇（別売　携帯ユナイトが必要）
テレビからの音声送信	〇（別売　テレビユナイトが必要）
カラーバリエーション	13色

GNリサウンド　ダナロジックアンビオ

〇ベースモデルが最上位モデル

〇環境自動認識による雑音抑制、環境適応システムを搭載

〇豊富なオプション

▲防水等級を取得していない（ナノコートをしているので湿気に強いです）

オーティコン　オープンプレイ２　耳かけ型プラスパワー（BTE PP）

2020年1月発売、オーティコンの支援法対応モデルが「オープンプレイ２ BTE PP」です。オーティコンは大人用補聴器とお子様用補聴器をわけて販売していますが、「オープンプレイ２BTE PP」が支援法対応モデルになりました。オーティコンの「オープンプレイ２BTE PP」は今回ご紹介する支援法対応モデルの中でかなり上位に位置する補聴器です。

MFI機能（made for iPhone）に対応
11個のコアを搭載する「ベロックスS」チップを搭載
同社「オープンS3」に近い性能
周囲360度の音を分析、声と騒音を調整して、周囲の音の情景を届ける「オープンサウンドナビゲーター」を搭載

メーカー名	オーティコン補聴器
ベースモデル	オープン3
チャンネル数	12チャンネル
電池サイズ	PR48(13)
電池寿命（通常使用）	約160時間
メーカー保証	1年
防水防塵性能	IP68
リモコン対応	〇（iPhoneはアプリで操作可能）
スマホからの音声送信	〇（iPhoneは直接接続、androidは別途コネクトクリップが必要）
テレビからの音声送信	〇（別途テレビアダプター3.0が必要）
カラーバリエーション	12色

オーティコン　オープンプレイ２

〇11個のコアを持つベロックスSチップを搭載

〇オーティコン「オープンS3」に近い性能

〇MFI対応（made for iPhone対応）

〇防水防塵IP68を取得

！現状見劣りする部分はないと思います

フォナック　ナイーダB30-SP

フォナックは、2019年11月より支援法対応モデルが「ナイーダB30-sp」に変更となりました。フォナックの総合支援法対応補聴器は、「大きな出力」「頑丈」「防水」「高い周波数の聞き取り」「豊富な通信オプション」が特徴です。防水性能が高く、電池収納部に防水パッキンが入っております。またマイク部分は何層ものカバーが施してあり汗、湿気に強い構造に仕上がっています。同社から販売されている「ロジャー」というワイヤレス機器との親和性が高く電池蓋を交換し「ロジャーシステム受信機」を一体で使用することができます。

メーカー名	フォナック（ソノヴァジャパン株式会社）
ベースモデル	ナイーダB30-SP
チャンネル数	8チャンネル
電池サイズ	PR48(13)
電池寿命（通常使用）	約100～160時間
メーカー保証	1年
防水防塵性能	IP68
リモコン対応	〇（別途パイロットワン２が必要）
スマホからの音声送信	〇（別途コムパイロット２が必要）
テレビからの音声送信	〇（別途コムパイロット２＋テレビリンク２が必要）
カラーバリエーション	9色

フォナック　ナイーダB30

〇頑丈なグラスファイバー製の外装

〇高度用の中では高出力

〇高い防水性能（IP68）

▲スマホとの直接通信不可

▲チャンネル数が8chと少な目

ワイデックス　デイリーD10

2016年にリリースされたワイデックスの総合支援法対応モデルです。ワイデックスの1世代前モデル「ドリーム」のプラットフォームを使用しているとのことでドリームに似た使用になっています。TV-DEX（テレビ専用のストリーマー）、COM-DEX（スマホ対応のストリーマー）、CALL-DEX（スマホ用電話アダプター）に対応しています。簡単な接続で電話の聞き取りが向上する「CALL-DEX」がとてもよくできており、電話の聞き取りを重視する方におすすめしています。ただ、調整チャンネルが少ないため急追の聴力や山がある聴力の方には適さないかもしれません。

WIDEX DAILY D10-FSG

WIDEX DAILY D10-FA-PG

メーカー名	ワイデックス
ベースモデル	ドリーム
チャンネル数	3チャンネル
電池サイズ	PR41(312)またはPR48(13)
電池寿命（通常使用）	FS/140～160時間　FA-P/240時間
メーカー保証	1年
防水防塵性能	IP68
リモコン対応	〇（別途RC-DEXが必要）
スマホからの音声送信	〇（別途COM-DEX/CALL-DEXが必要）
テレビからの音声送信	〇（別途TV-DEXが必要）
カラーバリエーション	6色

フォナック　ナイーダB30

〇小型なRICタイプもラインナップ

〇簡単接続でスマホ（電話）の聞き取り向上

▲他社と比較してやや前のモデル

▲調整チャンネル数が3チャンネルと少ない

スターキー　W3-7000

スターキーの支援法対応モデルは2014年モデルの「3シリーズ70」がベースモデルになっています。スターキーの支援法モデルは、高度の方のみRICタイプと耳かけ型（BTE）を選ぶことができます。イヤモールドとチューブがお好きではない場合、RICタイプをお選びいただけます。スターキーの補聴器は現行モデルの「リビオ」を除きすべてノンワイヤレス仕様となり、両耳間通信やテレビ・スマホからの音声ストリーミングに対応することができません。テレビやスマホの音声を補聴器を通してワイヤレスで聞きたい場合は他のメーカーの補聴器をおすすめいたします。

耳かけ型（BTE）

RICタイプ（外耳道内レシーバータイプ）

メーカー名	スターキー
ベースモデル	3シリーズ70
チャンネル数	8チャンネル
電池サイズ	PR41(312)またはPR48(13)
電池寿命（通常使用）	PR41/95～110時間　PR48/160時間
メーカー保証	2年
防水防塵性能	IPx7
リモコン対応	△（通信するリモコンはなし）
スマホからの音声送信	×
テレビからの音声送信	×
カラーバリエーション	RIC/12色　BTE/6色

フォナック　ナイーダB30

〇小型なRICタイプもラインナップ

〇電池がPR41とPR48から選べる（本体サイズが異なります）

▲スマホなどbluetooth接続ができない

▲両耳装用時、両耳間通信ができない

▲ベースモデルが6年前

自己負担で両耳装用にする場合の価格は？

総合支援法で補装具支給を受ける場合、片耳分のみ支給と決定されるケースが多くなっています。両耳支給を受けられることはレアなケースです。片耳は支援法で支給されもう片耳を自己負担で購入する場合、いくらくらいかかるのでしょうか。調べてみました。

MEMO

●支援法専用補聴器でカタログに価格が掲載されいない

支援法対応モデル（総合支援法による補装具支給の時専用の補聴器）にメーカー価格が掲載されていない器種があります。（シグニアのコントラストとGNのダナロジックアンビオ、スターキーのW3-7000）

支援法対応モデルを自己負担で購入する時の価格

メーカー名	器種名	実費で購入するときの価格
シグニア（旧シーメンス）	コントラスト　HP+	調査中
GNリサウンド	ダナロジック・アンビオ　AM-577DW	68,000円（メーカーに確認した価格）
オーティコン	オープンプレイ２　耳かけ型プラスパワー	100,000円（オープン価格のため参考売価）
フォナック	ナイーダB30-SP	158,000円
ワイデックス	デイリーD10（FS/FA-P)	113,000円
スターキー	W3-7000	89,000円（3シリーズ70がW3-7000と同モデル）

※補聴器は非課税です。

注意

支援法対応モデルは、総合支援法による補装具支給を受けられている方のみが購入できる補聴器です。シグニア/GNリサウンドの支援法専用補聴器は補装具支給を受けられていない方が購入することができません。

支援法対応モデルの試聴はできますか？

立川補聴器センターでは支援法対応モデルのご試聴を行っております。ただご試聴のご希望をかなりいただいており、下記の件をご了承いただいております。

ご試聴時のお願い

●ご試聴はお一人様2機種まで

●試聴期間は3週間まで

●イヤモールドをご持参ください。イヤモールドがない場合、お作りしてから試聴を開始致します。試聴用のイヤモールドはお買取りとさせていただきます（片耳9,000円~）

どの試聴機がありますか？

お貸出しの状況により試聴機の在庫が変動しております。詳しくは下記よりお問合せくださいませ。

●当店保有の試聴用補聴器

シグニア　コントラスト	１セット
GNリサンド　ダナロジックアンビオ	２セット
オーティコン　オープンプレイ２BTEPP	２セット
フォナック　ナイーダB30-SP	２セット
ワイデックス　デイリーD10	１台（片耳分のみ）
スターキー　W3-7000	１セット

参考
試聴のご相談はこちらから当店お問合せ専用ページ

まとめ

おかげ様で2018年に投稿した記事「総合支援法対応補聴器まとめ～高度難聴耳かけ型補聴器編～」が2020年1月で6500ビューをいただきました。今回、出遅れていたオーティコンより新機種のリリースがあったため全面的に記事を書き直しリニューアルいたしました。近年支援法対応モデルが急速にハイスペック化しており一般販売モデルのプレミアムクラスと同等性能を持つ補聴器も出てきました。メーカーのWEBサイトにはあまり情報が出ていないことがありますので支援法で補聴器をお選びいただく際にお役立ていただければ幸いです。

立川補聴器センター

〒190-0011　東京都立川市高松町3-21-4　アストル1階

電話番号：042-527-8555　FAX番号：042-512-9979

営業時間　9:30～18:00　定休日　毎週木曜日・祝日・第三日曜日

●ネットからのご予約は下記よりおすすみください。

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