いつも当店のブログをご覧いただきありがとうございます。今回は多数のお問合せをいただいている固定電話の音声をBluetoothを使って補聴器に送信する方法、2024年バージョンをご紹介致します。ちなみに今回の記事、03+さんからの案件ではありません。「これ、03+入ってますよ」入ってませんのでご安心ください。
過去に2回、固定電話の音声を補聴器に直接送信する方法をご紹介いたしました。
第一弾 固定電話の音声を補聴器に直接送信
固定電話の音声を補聴器に直接送信 フォナック補聴器「マーベル」を固定電話に接続してみたら便利に使えたこれはかなり反響をいただき、企業さんからも問い合わせをいただきました。ただ、この方法はフォナック縛りがあり、フォナックのように柔軟な音声入力を補聴器に行えることが必要でした。
第二弾 補聴器にビジネスフォンの音声を直接入力する方法を考えてみた
【レビュー】補聴器にビジネスフォンの音声を直接入力この記事は実際にユーザー様に僕が購入した製品を提供してレビューいただきました。自立コムさんで販売しているMリンクと電話→ヘッドセットアダプターを使いTコイルで補聴器に音声入力する方法です。電話の聞き取りは良好と伺いましたが、アダプターなどを持参する必要がありちょっとかさばるという問題がありました。
今回はアプリを使います
今回ご紹介する方法は、スマホアプリ「03plus」を使った方法です。電話会社の変更が必要になりますのでひと手間かかりますが、固定電話を多用する方は外出先でも自宅の電話が受けられるのでかなり便利なサービスです。
03plusとは??
固定電話をスマホで発着信できるようにするサービスとアプリです。当店もこの03+を導入しています。03+は、東京03、042など固定電話の番号(0ABJ番号)が利用できます。さらに番号ポータビリティも可能なので今固定電話として使用している番号をそのまま03+に移行することができます。
補聴器と03+、関係あるの?
固定電話に電話録音アダプターを使用して補聴器に音声送信する方法をご紹介致しました。この方法は補聴器が「フォナック縛り」になってしまうため他の方法を模索していたところ、この03+を発見。早速検証のためお店の固定電話を03+に変更しました。スマホで固定電話が発着信できればMFIヒアリングデバイスを搭載した補聴器とiPhoneがあればお耳に直接固定電話の音声を飛ばせます。03+のアプリから補聴器へ音声送信可能か検証しましたところばっちりでした。
03+をどうやって導入するか、その方法をご紹介致します。
今使っている固定電話番号を使用したい
今自宅で使用している固定電話の番号(東京都なら03・042)をそのまま使用してスマホで発着信できるようにするには、番号ポータビリティを行う必要があります。
元々NTTが発行した電話番号をNTT以外の電話サービスへ転用できる制度です。当店は通信系の会社ではないので詳細は下記リンクをご覧ください。注意が必要なのは、ご自宅の電話番号が元々NTT一般加入電話(アナログ回線・ISDN回線)で契約した番号である必要があります。東京都多摩地区には、J:COMというケーブルテレビ会社があり、このJ:COMも固定電話を提供しています。(J:COMフォン)J:COMが発行した電話番号の場合は、番号ポータビリティの恩恵を受けることはできないんです。
今の固定電話番号はやめて新しい番号したい
これは極めて簡単です。03+に申し込みすると新しい固定電話番号を付番されます。03+が開通して使用できるようになったら、今使っている固定電話番号を解約するだけです。
準備をしなくちゃ
03+に申し込む
まずは03+に申し込みする必要があります。上記でも説明しましたが、03+には「今の固定電話番号を引き継いで使用する」使い方と「電話番号を変更して新規番号を取得する方法」の二通りがあります。
自分は、検証のため番号引継ぎと新規番号両方で申し込みしました。新規番号は、30分程度で使えるようになります。番号引継ぎは、「番号ポータビリティ」という手続きが必要になるため、使用できるようになるまで1週間程度かかりました。
アプリのインストール
03+の開通が開通したらスマホに03+のアプリをインストールしましょう。iPhone/Android両方ともアプリが用意されています。
が!しかし、アンドロイド版は挙動がかなり怪しいです(03+さんごめんなさい)使えないことはないんですが、着信しなかったり、着信→電話に出れない場合のプッシュ通知の遅延などがあげられます。03+を使用する場合、できればiPhoneをご利用いただくことをおすすめいたします。
補聴器をスマホとBluetooth接続(ペアリング)
当店ホームページでたびたびご紹介しておりますので参考リンクをご覧ください。
03+で補聴器を使って電話で受けてみる
03+を使えば、受話器をお耳に当てる必要なし٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ ヤッタ~!
03+で電話を受けるのはいたって簡単、通常のスマホの着信と同じように電話がかかってきます。スマホなのでもちろん相手の電話番号も表示されます。(非通知は表示されません)固定電話だと番号が見れない電話機がありますが、番号が見れるので安心です。スマホの電話帳に連絡先登録があればその方のお名前を表示します。
電話に出たら自動で補聴器に音声が送信されてきます。補聴器を両耳装用されている方は、両耳とも電話に音声が飛んできますので聞き取りがしやすくなります。両耳で電話しているとき、周囲の音つまり補聴器のマイクが拾っている音も入ってきますので緊急車両の接近などを察知することがしやすいので安心です。
耳あな型補聴器をご利用の方は電話の際、ハウリング(ピーピー音)が出た経験があると思います。スマホとBluetooth補聴器、03+を使えばお耳に電話機を当てる必要がないのでハウリングの心配はありません。
ご高齢の方向け、迷惑電話、セールス対策
当店にご来店のお客様からよく相談を受けることの一つ
「セールス、勧誘、迷惑電話が困る、大事な要件とセールスの判別ができない」
ご高齢の方でいえ電にかかってくる電話に悩んでいるというお声をよく聞きます。光回線で地域一帯で切り替え?電話回線を光に変えて安くしませんか?Wi-Fiどうですか?言葉巧みに勧誘してきます。自分は元通信会社なのできっぱり断りますが、自分の母親は電話を受けてあたふたしていたことがありました。
03+で解決!
03+には、電話録音サービス・着信履歴サービスがあります。これはネット上で見ることができますので、ご家族様と同居ではないご高齢の方にとても便利なサービスです。
「光回線に地域で変えないと・・・」その電話をすべて録音出来、離れたところのご家族が録音した音声をきくことができます。月額3300円のオプションです。
外出先でスマホと補聴器があれば「いえ電」を受けられる
03+最大の特徴、いえ電をスマホで受けることができます、これ標準機能です。外出先で市役所からいえ電に電話がかかってくる、保険や銀行審査などで自宅で待機する必要がある、03+ならスマホと補聴器さえ持って出かければ外出先でいえ電を受けることがかんたんにできます。
役所からの大事な電話が取れなかったー、折り返したけど担当者捕まらないーー、こういう無駄なやり取りが防げます。
料金
NTTアナログ回線(固定電話/いえ電)、NTTひかり電話基本プランと比較し03+はやや基本料金が高めです。ただ、聞こえにくい自宅の電話でびくびくしながら電話に出るよりスマホと補聴器を使って「より聞きやすい環境」を整えたほうがQOLの向上につながるのではないでしょうか。
NTT東日本アナログ回線・・・1,760円/月
NTT東日本ひかり電話・・・・550円/月+光回線使用料(4000~6000円くらい)
03+今の番号を継続する場合・・・基本料金1,078円/月+番号継続1,210円/月 税込み
※ユニバーサルサービス料と電話リレーサービス料は抜いています
アナログ回線と比較し526円アップですが、年間6000円少々の支払いなのでそこまで財布のダメージは大きくないのではないでしょうか。(いえ電が大事な方が対象です)
03+のディメリット、使いにくい点
ここまで03+について解説してきました。実際使ってみた感想、ディメリットをお伝えいたします。
110、118、119には発信できない
03+のアプリからは発信できません。まあ、スマホをいえ電にするアプリなので当然スマホの電話番号から発信することができますのでこれで困ったことはありませんでした。
0120・0800に電話すると非通知になる
フリーダイアル0120・0800に03+から電話すると非通知になります。これも携帯番号からかければ問題なしです。
Wi-Fi環境で03+を使うと発着信が不安定になる
公式サイトに書きの注意書きがあります。
「通話、FAXの品質は、インターネットの接続やトラフィック状況(混雑具合や安定性など)に左右されることがあります」
専門外なので詳しくはわかりませんが、IPV6というインターネットの接続方式を使っているとWI-FI接続時に不安定になると03+のサポートから聞きました。普段は携帯回線(4G・5G)を使っているので大きな問題になったことはなかったです。
まとめ
固定電話の音声を補聴器に直接送信 2024年バージョン いかがでしたでしょうか。前回、前々回ご紹介した記事は電話機のハードに工夫をして音声を補聴器経由で聞く方法をご紹介いたしましたが、今回はソフト、アプリを使った方法をご紹介いたしました。03+は当店も導入しており、スタッフが在宅勤務をする際や自分が出張に行く際、かなり活用しています。実際、使ってみた「人柱」の解説記事なので多少お役に立てることがご紹介できたのではと思います。
03+の加入サポートは行っておりませんが、補聴器の調整・補聴器とスマホのBluetooth接続は喜んでお引き受けいたします。ご相談などございましたら弊店までお気軽にお問合せくださいませ。皆様からのご相談を心からお待ちしております。
この記事が気になったら
当店では、補聴器のご相談・1か月間無料お試し・補聴器を着けたときの効果見える化を行い、しっかり効果のある補聴器のご提供に努めております。ご相談・ご試聴は無料で行っておりますのでお気軽にご相談くださいませ。