「10万円台で、ストリーミングも騒がしい場所での聞き取りも妥協したくない」——そんな方が増えています。いつも当店のブログをご覧いただきありがとうございます。2025年2月のAuracast™対応以降、リサウンドは新しい補聴器ラインナップを順次発表してきました。その中でも、今回ご紹介する「サビー(SAVI)」は、ミドルクラスとして注目を集めています。

この記事では、サビーの特徴と従来モデルとの違い、同価格帯の他社モデルとの比較に加えて、当店の防音室でバイノーラルマイクを使って録音した「実際の聞こえ」をお届けします。カタログの数字だけではわからない部分を、音そのもので確かめてみてください。
- サビーは2021年モデル「キー」の後継にあたるミドルクラス。RICタイプ耳かけ型のみ。
- 上位モデルにしかなかった指向性「オートスコープ」を搭載。騒がしい場所での会話に強い。
- この価格帯では数少ないAuracast™・LE Audio対応。対応スマホからSpotifyやAudibleなどを補聴器で直接聞けます。
- マイクカバーを店頭・ご自身で交換できるようになり、メンテナンスがしやすくなりました。
サビーはキーの後継?価格とグレードの位置づけ
2025年6月現在、リサウンドは下記の補聴器をリリースしています。4/5/7/9という数字は補聴器のグレードを表しており、数字が大きくなるほど性能があがり価格も上がります。
| 補聴器名称 | 発売時期 | ポートフォリオ |
|---|---|---|
| ビビア 4/5/7/9 | 2025年モデル | RICタイプ耳かけ型のみ |
| ネクシア 4/5/7/9 | 2023年モデル | フルラインナップ |
| オムニア 4/5/7/9 | 2022年モデル | フルラインナップ |
| サビー 2/3/4 | 2025年モデル | RICタイプ耳かけ型のみ |
| キー 2/3/4 | 2021年モデル | フルラインナップ |
| エンツォ 5/7/9 | 2019年モデル | 高重度の方向け |
サビーはグレード・価格帯がキーと重なるため、キーの後継モデルとして発売されたと考えられます。以降では、サビー2・3・4の性能差と、上位モデルのビビアとの違いを順に見ていきます。
サビーとビビア、13万円差で何が変わる?

ここからは、サビーの搭載機能を上位モデルのビビア5、2021年モデルのキー4と並べて比較します。価格はいずれも片耳・充電器抜きの本体価格(メーカー希望小売価格)です。
| 機能名 | ビビア5 | サビー4 | サビー3 | サビー2 | キー4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 片耳価格 (充電器抜き) | 290,000円 | 160,000円 | 130,000円 | 95,000円 | 130,000円 |
| バッテリー | 充電/電池 | 充電/電池 | 充電/電池 | 電池のみ | 充電/電池 |
| ハンドル数 | 12 | 12 | 12 | 10 | 12 |
| 雑音抑制 | 3段階 | 2段階 | 1段階 | 1段階 | 1段階 |
| 自動ボリューム | ー | ー | ー | ||
| 正面フォーカス | ー | ー | ー | ー | |
| 環境適応指向性 | 自動+4段階 | 自動+3段階 | 自動+3段階 | 1段階 | 3段階 |
| 風切抑制 | 2段階 | 2段階 | 1段階 | 1段階 | 1段階 |
| 衝撃音抑制 | 2段階 | 2段階 | 1段階 | ー | 1段階 |
| iPhone対応 (MFI) | |||||
| LE Audio | ー | ||||
| Auracast™ | ー | ||||
| 修理保証 | 2年 | 2年 | 2年 | 1年 | 2年 |
| 紛失破損保証 | 1年間で1回 | ー | ー | ー | ー |
※ハンズフリー通話はiPhone11以降(SE2・SE3除く)のみ使用できます。LE Audioは対応コーデック(LC3)を搭載したAndroidスマホ・WindowsPCで利用できます。各種数値はカタログ値、または当社でメーカーに確認した値です。

上位モデルのビビア5とサビー4の主な違いは、雑音抑制の段階数(3段階/2段階)、正面フォーカスの有無、オールアクセス指向性の有無、そして紛失破損保証の有無です。正面フォーカスは、居酒屋や地下鉄など非常に騒がしい環境では役立ちますが、常時使うものではありません。普段使いでは雑音抑制が3段階か2段階かの差が出やすく、その点ではビビアにややアドバンテージがあります。なお紛失保証は+30,000円(片耳)でサビーにも追加できます(保証開始から1年間で1回)。
つまり居酒屋・地下鉄での聞き取りの伸びしろと、もう一段の雑音抑制・紛失保証に、差額130,000円(片耳)の価値があるかどうかが判断の分かれ目になります。
忘れてはいけない、サビー2
サビー2は電池式のみなので注意が必要
サビー2は、ほぼ全性能を1段階下げて100,000円(片耳)を切る価格設定です。ハンドル数は10あり、ある程度の調整ができます。この価格帯でAuracast™とLE Audioを搭載しているのが大きな特徴で、先取りしたい方が予備機として選ぶ手もあります。
2026年5月、サビー2にも充電式と耳あな型が登場しました。
参考記事
LE Audio・Auracast™についてはこちら
サビーのハードはどこが進化した?
形状・バッテリー・カラー
最近は電池式の耳かけ型が減っていますが、サビーは電池式で2種類のタイプが用意されています。貴重なPR48電池を使うRICタイプ耳かけ型もあります。カラーはサンドなど、髪に近く目立ちにくい色も選べます。耳かけ型でも、髪のかかり方次第で外からはほとんど気づかれにくいタイプです。
充電器は据え置き型が標準
充電器は標準がデスクトップ型(据え置き型)で、充電器自体にバッテリーを搭載していません(USBに接続していないと充電できません)。下記のメーカー希望小売価格は充電器単体の価格で、補聴器本体は含みません。
デスクトップ充電器

バッテリー内蔵充電器

差額をお支払いいただくことで、バッテリー内蔵型へアップグレードできます。
👍マイクカバーが自分で交換できるように
サビーから、補聴器のマイクカバーをお客様または販売店で交換できるようになりました。耳かけ式のマイクは頭皮や汗、皮脂が付着しやすく、堆積するとマイクをふさいでしまいます。交換できないモデルはメーカーに送ってマイク付近の樹脂を交換する必要がありますが、サビーはその場で交換できます。地味ですが、うれしい進化点です。

3マイク(マリー)は非対応
上位モデルのビビア・ネクシアは、お耳の中にもマイクを搭載するM&MRIE(マリー)という3マイク方式を選べますが、サビーは非対応です。マリーは使用条件がかなり限られるため、多くの方はあまり気にしなくて大丈夫です。
【本題】騒がしい場所での聞こえを録音して確かめた
指向性や環境認識など、カタログにはさまざまな機能が並びますが、文字だけで聞こえ方を比べるのは難しいものです。そこで、ちょっとした音源を用意して、実際の聞こえを録音してみました。ハレーションが怖いので、他社の音源はここには掲載しません。
バイノーラルマイクを使い、補聴器を装着した状態の聞こえを録音しています。本来はしっかりしたダミーヘッド付きのものを使うべきですが、いかんせん140万円近くするため、今回は簡易的な「美耳」で録音しています。つっこみどころがあることは承知しています。ご了承ください。


- バイノーラルマイクに実耳測定器と補聴器を装着
- 処方式NAL-NL2 経験者を選択
- NAL-NL2でREMオートフィット
- ハウリング抑制はアダプティブ
- 指向性、雑音抑制オン
会話の音源
オーティコンの「サウンドスタジオ」という、会話にノイズを乗せて試聴できるソフトから、会話部分だけを使用します。

▼美耳で録音した音源はこちら(補聴器なし・ノイズなし)
ノイズ音源
Youtubeにカフェの環境音がありましたので、これを流しました。防音室内で65dBになるように音源を調整しています。ノイズ用のスピーカーはJBLのAuracast™対応スピーカーを使用し、2本のスピーカーを連動してパーティーモードで出力しています。5.1CH使えやー!という突っ込みもあると思いますが、限られた時間で検証しています。ご了承ください。
カフェのノイズ+会話を聞いてみよう!
「おばあちゃんとお料理するのは楽しいよ~」の音源とカフェのノイズを防音室内に流し、バイノーラルマイクに補聴器を装用して録音します。次のような場面を想定しています。

補聴器なし、ノイズあり
静かな状態と比べて、おばあちゃんの声が急に聞き取りにくくなりました。さて、補聴器を装用するとどうなるでしょうか。
美耳にサビーを装用して騒音下の会話を録音
リサウンド・サビー 標準モード

サビーをバイノーラルマイクに取り付け、指向性(両耳連動指向性3)と雑音抑制・全自動ボリュームを動作させて録音しました。
↓補聴器あり+会話+ノイズ サビー標準モード
リサウンド・サビー 騒音下専用モード(オートスコープ)
続いて、騒音下専用の調整を作り、オートスコープという指向性を使って録音しました。指向性の説明はこちらをご参照ください。少し前まで最上位モデルのみに搭載されていた、比較的リッチな機能です。

↓録音した音源はこちら
娘さんの声がかなりはっきりし、パパの声もクリアさが増しました。さすが最上位モデルに搭載されていた指向性だけあって、騒音下でその力を発揮してくれます。標準モードの両耳連動指向性3より、こちらのオートスコープのほうが個人的には好みかもしれません。
2018年モデル「クアトロ5」と聞き比べ

2018年発売のリサウンドの耳かけ型「リンクスクアトロ5」を、同じ手順で調整し、バイノーラルマイクで録音しました。サビー4とリンクスクアトロを聞き比べできます(参考程度にお考えください)。
↓リンクス・クアトロ5で同じ音源を録音
クアトロは7年前のモデル
クアトロでは、おばあちゃんの声が周囲のざわつきに埋もれてしまっています。ヘッドフォンで何度も聞きましたが、おばあちゃんの声を聞き取るのはかなり難しく感じました。サビー4の騒音下モードのほうが、ざわつきは適度に残りつつ、3名の声がある程度はっきりしています。なお、聞こえ方の感じ方には個人差があります。
サビー以外の機種も録音しましたが、掲載は控えておきます。
スマホからSpotify・Audibleを直接聞ける(LE Audio)
サビーはこの価格帯では数少ないLE Audio(LC3コーデック)対応です。対応するAndroidスマホやWindowsPCと接続すると、SpotifyやAudibleなどの音声を補聴器から直接聞くことができます。イヤホンとは構造も目的も異なるため同じようには聞こえませんが、オーディオブックや音声コンテンツであれば、移動中の利用にも向いています(音量にはご注意ください)。
さらに「消音モード」を使うと、耳栓に近い感覚で周囲の音を抑えられます。電車内や休憩時間など、静かに過ごしたい場面での切り替えに便利な機能です。2027年には普及が進むと言われるAuracast™にも対応しているため、長く使うことを考えても先取りしておける一台です。
Google Pixel 10シリーズとの相性が抜群!
LE Audioを最大限に活かすには、対応スマホ選びも大切です。Google Pixel 10シリーズはLE Audio(LC3)に対応しており、サビーと組み合わせると、音楽や通話に加えてGeminiの音声や文字起こしといった機能も補聴器で活用できます。Pixel 10aは当店で自腹購入して実機検証しました。組み合わせの使い勝手は【実機レビュー】Google Pixel 10aを補聴器屋が自腹で買ってみたで詳しく解説しています。
10万円台の他社4機種とサビーを比較
同じ価格帯で、リサウンド以外のメーカーは今どうなっているのでしょうか。価格と性能を比較してみましょう。
比較条件
- 充電式のRICタイプ
- 片耳10万円台(シグニアのみ少し超えています)
- 価格は補聴器本体+付属の充電器(メーカー希望小売価格)
| リサウンド | フォナック | オーティコン | シグニア | |
|---|---|---|---|---|
| 補聴器名称 | サビー4 | テラプラス | ジェットPX2 | 1IX |
| 片耳価格 | 176,000円 | 156,000円 | 160,000円 | 204,000円 |
| 充電器 | 据え置き型 ※差額で内蔵型へ変更可 | 据え置き型 | バッテリー内蔵型 | バッテリー内蔵型 |
| 発売時期 | 2025年5月 | 2025年6月 | 2025年5月 | 2023年11月 |
| ハンドル数 | 12 | 10 | 12 | 8 |
| 指向性 | 5パターン | 2パターン | 2パターン | 1パターン |
| 雑音抑制 | 弱:-3dB 中:-6dB | 弱:-3dB 中:-7dB 強:-10dB | -6dBのみ | オン/オフ |
| 防水防塵 | IP68 | IP68 | IP68 | IP68 |
| 充電 期待動作時間 | 24時間 | 18時間 | 24時間 | 20時間 |
| LE Audio | 〇 | ー | ー | 〇 |
| Auracast™ | 〇 | ー | ー | ー |
以下は、比較表をふまえた当店での試聴所感です。あくまで一例であり、聞こえ方の感じ方には個人差があります。
サビーの強みはLE Audio+上位譲りの指向性
ストリーミングも重視したい方には、LE Audio対応のサビーが候補に挙がります(PixelやGalaxyなど対応スマホをお使いの場合)。少し前まで最上位モデルに搭載されていた指向性を備え、環境認識もあるため、騒がしい場面ではさりげなく抑えがはたらきます。一方、フォナック テラプラスはBluetooth Classicでほぼ何でも音声送信できる強みがありますが、遅延や音質低下は避けられず、耳かけ型で風切り音抑制がない点が惜しいところです。シグニア1IXは充電器の完成度が高く語音強調を備える反面、ハンドル数や雑音抑制の選択肢が少なめです。
過去に比較した記事はこちら(キーを記載しています)
サビーの口コミ・評判は?よくあるご質問
サビーについて、店頭でよくいただくご質問をまとめました。実際にご利用いただいた方のご感想は、当店のGoogleの口コミ欄にも寄せられていますので、あわせてご覧ください。
- リサウンド・サビーはどんな人に向いていますか?
- スマホからの音楽やオーディオブックを補聴器で直接聞きたい方(LE Audio対応スマホをお使いの方)、騒がしい場所での会話を重視する方、10万円台で次世代のワイヤレス機能を取り入れたい方に向いています。最終的な適否は、聴力やライフスタイルに合わせた試聴・調整で確認するのがおすすめです。
- サビー2・サビー3・サビー4の違いは?
- 主な違いは雑音抑制の段階数、全自動ボリュームの有無、指向性の調整範囲、保証年数です。サビー2は電池式のみで価格を抑えたモデル、サビー4は上位譲りの指向性「オートスコープ」を備えた最上位グレードです。価格は片耳・充電器抜きでサビー2が95,000円、サビー3が130,000円、サビー4が160,000円(いずれもメーカー希望小売価格)です。
- 遠方に住んでいますが、調整してもらえますか?
- 当店はオンラインでの調整に対応しています。ご来店での初期調整のあとは、オンラインで微調整ができるため、遠方の方も来店回数を抑えてご利用いただけます。詳しくは店頭またはお電話でご相談ください。
- 耳かけ型は目立ちませんか?
- サビーはサンドなど髪に近い色も選べ、髪のかかり方によっては外からほとんど気づかれにくいタイプです。装用感や見え方は個人差があるため、実機での試聴時にご確認いただくのがおすすめです。
▼ 実際にご利用いただいた方のご感想はこちら
まとめ|サビーはこんな方の選択肢になります
今回は、2025年5月発売のリサウンドの新製品「サビー」を、比較と録音検証を通してご紹介しました。事実を整理すると、サビーには次のような特徴があります。
- 次世代のワイヤレスに対応:Auracast™とLE Audioに対応し、対応スマホからの音声を補聴器で直接聞けます。
- バッテリーの選択肢:電池式と充電式の両タイプがあり、ライフスタイルに合わせて選べます。
- 上位譲りの指向性:「オートスコープ」を搭載し、騒がしい環境での録音検証でも会話部分の聞き取りに差が出ました。
- メンテナンスのしやすさ:マイクカバーをご自身・店頭で交換できます。
価格と機能のバランスを重視する方にとって、サビーは検討に値する一台です。とはいえ、最適な機種は聴力や生活環境によって変わります。サビーを基準に、グレードを上下して比較してみるのも一つの方法です。当店では実機の試聴と、聞こえ方の確認を承っています。気になる方はお気軽にご相談ください。
補聴器は、使用開始前に適切なフィッティング調整が必要です。補聴器は適切なフィッティング調整により、その効果が発揮されます。しかし、装用者のきこえの状態によっては、その効果が異なる場合があります。ご使用の前に添付文書および取扱説明書を必ずご参照ください。補聴器の使用を希望される方は、あらかじめ耳鼻科医師の診察をお勧めします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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