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次世代ワイヤレス「Auracast™」 対応製品を検証してみた EarFun Air Pro4/POCO X7 Pro/Xiaomi/リサウンド ネクシア/Beltone Seren/MoerLab

いつも当店のブログをご覧いただきありがとうございます。今回は、次世代ワイヤレス通信「Auracast(オーラキャスト)」について現段階でわかっていること、出来ることを解説したいと思います。私もまだまだ勉強中ですべてわかっているわけではないので、今回の記事は備忘録程度の内容です。

Auracastに僕が拘る理由

僕はこのAuracastがとても気になっています。「補聴器はまだ早いけどテレビがもっと聞こえたい」「補聴器をもっているけど、セミナーで聞き取りがしにくい」というお声を良く聞きます。先日、Auracastの体験会に参加してきましたが、補聴器や人口内耳装用者様から講演会や演劇をもっと聞きたいというお声が上がっていました。

今までは補聴器(イヤホン)とスマホやマイクが1対1の関係でしたが、Auracastが普及することにより1つのワイヤレスマイクを多数聞くことができるようになります。イヤホンの方も補聴器の方も皆が「聞えを共有」できます。

あと僕は、補聴器用の送信用オプションは非常に高いと思っています。Amazonで売っている数千円のワイヤレスマイクやUSB送信機が補聴器で使えればお財布にも優しい。そんな未来を夢見ているのでAuracastに拘っています。

Auracastってなんですか?

Auracast(オーラキャスト)とは、Bluetooth技術の一つで、複数のデバイスに対して同時にオーディオをブロードキャスト(送信)できる機能です。これはBluetooth SIG(Special Interest Group)が策定した「Bluetooth LE Audio(Low Energy Audio)」の一部として導入されました。

Auracastの特徴

複数の受信デバイスと共有可能

  • これまでのBluetoothオーディオは1対1の接続が主流でしたが、Auracastでは1対多の同時接続が可能です。
  • 例: 一つのスマートフォンから複数のワイヤレスイヤホンやスピーカーに音を送信。

公共空間での活用

  • 空港、駅、映画館、会議室などで、利用者が自分のイヤホンを使って放送を聞くことができます。
  • 例えば空港でのアナウンスをAuracast対応イヤホンでクリアに聞くなど。

低遅延で高音質

  • Bluetooth LE Audioの技術を利用しており、従来のBluetoothオーディオよりも低遅延かつ高音質を実現。

補聴器との連携

  • Auracast対応の補聴器を使えば、特定の音声情報(テレビの音声や劇場の音声)を直接受信可能。

Auracastの用途

  • パーソナルオーディオ共有(家族や友人と同じ音楽を同時に楽しむ)
  • 公共空間での情報提供(空港のアナウンスや会議の音声を聞く)
  • テレビや映画館の音声配信(個人用のイヤホンでクリアな音声を楽しむ)
  • 聴覚サポート(補聴器ユーザーへの直接音声送信)

まとめると

  • 高音質・低遅延・低電力消費でワイヤレスオーディオが使える
  • 補聴器装用者様へ音声を直接送信(ロジャーのようなイメージ)
  • 話者1に対し複数人へマイク音声を送信できる

補聴器にワイヤレスマイク

補聴器にワイヤレスマイクを増設する方法としてはフォナックの「ロジャー」が非常に有名です。学校や企業でも導入がすすんでいます。ロジャーの難点としては、フォナックの補聴器とは非常に親和性が高いですが、他メーカーの補聴器になるとやや使いにくくなることです。

AuracastはBluetooth SIGが策定した統一フォーマットなので補聴器のメーカーに縛られることはありません。今後、アマゾンで売っているAuracast対応のマイクが補聴器のマイクとなり話者の音声を補聴器に直接送信してくれる時がやってきます。

Bluetooth SIGとは?

出典元:Wikipedia

Bluetooth SIG(Bluetooth Special Interest Group)とは、Bluetooth技術の標準化と普及を推進する業界団体です。1998年に設立され、現在はApple、Intel、Microsoft、Qualcomm、Sony、Samsung などの大手企業を含む数万社以上の企業が加盟しています。なお、補聴器のメーカーもほぼ全社加盟しています。

Auracastが使える補聴器/イヤホン

僕は技術屋でもパソコン屋でもないのでAuracastの技術的なことはわかりません。今回の記事は、この補聴器(またはイヤホン)を使ってこんな感じでAuracastが使えるよ!という内容をご紹介致します。

必要なものを揃える

Auracastでワイヤレスオーディオを利用するにはまず下記の3つが必要です。

レシーバーアシスタントトランスミッター
補聴器/イヤホンを指します。つまりお耳に着ける装置です。Auracastの電波を検索して補聴器/イヤホンが受信状態にできるアプリです。Auracastの電波を送信する装置です。この機能を搭載したスマホや小さな送信装置があります。

補聴器:リサウンド ネクシア
イヤホン:earfun air pro4

参考:Creative BT-W6

何がAuracast対応なのか?調べる方法

こちらのサイトでレシーバー・トランスミッター・アシスタントの対応可否を確認できます。

僕が所有しているAuracast対応製品

僕が所有しているAuracast対応製品もこのサイトに掲載がありました。

  • 補聴器 リサウンド ネクシア
  • 補聴器関連機器 テレビストリーマープラス
  • スマホ Galaxy S23
  • スマホ POCO F6 Pro(AC公式にはありませんが、メーカー公式に対応記載)
  • スピーカー JBL Clip 5
  • イヤホン earfun air pro4(最近発売のため未掲載)
  • ヘッドフォン Zen Hybrid Pro
  • USBドングル クリエイティブ BT-W6

補聴器の接続性は?

Auracastには、現在3種類のタイプがあると聞いております。(情報提供:GNヒアリングジャパン株式会社)結論から先にもうしあげると2025年3月現在、唯一のAuracast対応の補聴器「ネクシア」は接続できる装置が限られています。その理由も後ほど解説します。まずはAuracastの種類から。

Auracastの名称サンプリングビットレート用途・特徴
Auracast Low?16bit / 16000Hz音声通話、補聴器向け(低消費電力)
Auracast Standard16bit / 24000Hz一般的な音楽ストリーミング(バランス型)
Auracast High16bit / 48000Hz高音質オーディオ(ワイヤレススピーカー向け)

調べてもあまり情報がないため、名称と用途・特徴はChatGPTで調べました。サンプリングビットレートは全部で3種類あり、補聴器が採用しているものはStadardという情報があります。(まだまだ情報が出回っておらず確定情報ではありません)

つまり

補聴器が受信できる放送(Auracastで飛ばしている音声)と受信できない放送があるということです。Auracast Highは補聴器で聞くことが現状できない状態です。この後、Auracast対応補聴器「リサウンド ネクシア」を使って詳しく解説致します。

Auracast3種の神器を説明します

Auracastを活用するには、下記の3つが必要なことを上記で説明しました。

左からヘッドフォン(受信) アシスタント Poco X7Pro(切替) トランスミッター(送信)
  • 【受信】レシーバー イヤホン・補聴器
  • 【切替】アシスタント スマホが必須
  • 【送信】トランスミッター Auracast対応の送信機が必要

この3つには、Auracastに対応しているものと対応していないもの、アシスタントは何を揃えればいいか?まだまだわからないことが多数あると思いますが、Auracast製品を買いまくっている僕が知っていることをご紹介致します。

左から補聴器(リサウンド ネクシア)、アシスタント(iPhone15)、テレビストリーマー(送信機)

アシスタント(切替)

イヤホン・補聴器をAuracastに接続するための「切り替え器」の役割をしています。スマホでWi-Fi接続するときを想像してみてください。たくさんのWi-Fiが飛んでいるなかで自分の使いたいネットワーク(電波)を選べるようになっています。Auracastアシスタントの役割はこのWi-Fiの画面と似ているとお考えください。

Auracastアシスタントがスマホに内蔵されている場合

Auracastアシスタントに対応したスマホ Galaxy S23、Xiaomi POCO X7Pro

サムスンのGalaxy Sシリーズに搭載しているOneUIは、Auracast対応製品をペアリングしたときにアイコンに三角のマークが表示されます。これが表示されるとAuracastに対応しております。

GalaxyはAuracastに対応したイヤホン・補聴器が繋がるとアイコンが変わります

Auracastに対応してない補聴器・イヤホンをBluetooth接続したときのアイコンがこちら。

Auracastアシスタントがアプリに組み込まれている場合もある

Auracast非対応スマホをご利用中の場合、Galaxy S23のようにBluetoothの設定にブロードキャストの項目がありません。ただ、お持ちのイヤホン・補聴器の専用アプリがAuracastアシスタントを担うメーカーもあります。

iPhoneは残念ながら全機種2025年3月現在Auracastに対応しておりません。が、リサウンドの補聴器の場合、補聴器の専用アプリにAuracastアシスタントが実装されており、アプリ内から周辺でブロードキャストされている放送を選択して聞くことが出来ます。

リサウンドの兄弟メーカー「ベルトーン」のAuracast対応補聴器「シリーン」とAuracast非対応スマホ、Xperia Ace3を専用アプリで接続してみました。問題なくブロードキャストを掴むことが出来ました。

中央がXperia Ace3とベルトーン「シリーン」、左がiPhone15とリサウンド「ネクシア」

イヤホンの場合

今回購入したEarFun Air Pro4も専用アプリからブロードキャストを掴む機能「Auracastアシスタント」が実装されています。

アプリを開きイヤホンを選択、下まで下がってLE Audioの項目を開くとAuracastの項目が出てきます。

EarFun Air Pro4で掴めないブロードキャストがある

現在調査中なのでまだはっきりしたことが判明しておりませんが、補聴器用として販売されているAuracast送信機で飛ばしているブロードキャストをEarFun Air Pro4で掴むことができませんでした。これは今EarFunのメーカーさんに確認中です。

逆に一般用途で販売しているAuracast対応送信機でブロードキャストした音声をEarFn Air Pro4で聞くことが出来ました。恐らくAuracastには何種類かの送信方式(サンプリングビットレートと呼ぶ?)があり、掴める受信機と掴めない受信機が存在するようです。

レシーバー(受信)

Auracastを聞くための受信機です。補聴器、イヤホン、ヘッドフォン、スピーカーが販売されており対応製品を購入して対応のアシスタントを持っているとブロードキャストされている音声をワイヤレスで聞くことが出来ます。

補聴器

補聴器は2025年3月現在、下記の3器種がAuracastに対応しています。

  • リサウンド「ネクシア」(小型耳あな型を除く)
  • ベルトーン「シリーン」(小型耳あな型を除く)
  • スターキー「エッジAI」(小型耳あな型を除く)

スターキーは上記で説明したAuracastアシスタントをメーカー独自アプリに非搭載のため、アシスタントを搭載したスマホが必須となっています。(GalaxyS23以上)補聴器を選択するとき注意が必要です。

イヤホン

無数にあると思いますので僕が所有している3機種をご紹介いたします。

EarFun Air Pro4

イヤホン本体、専用アプリ共にAuracastに対応しているので購入後、ペアリングしてアプリを入れればすぐにAuracastを体験できます。ちょっと難点は補聴器向けに飛ばしているAuracastを掴むことが出来ません。予想なのですが、24KHzのサンプリングビットレートで飛ばしているものを受信できないと思われます。これは今メーカーさんに確認中です。

NWM GO(耳スピ)

耳スピという名前で販売しているNWM(ヌーム)というイヤホンです。このイヤホンはお耳の穴を塞がないで耳介にスピーカーを置いて聞くイヤホンで外の音とイヤホンの音を両立出来ます。僕は、CICという小さい補聴器をご利用の方でイヤホンの使用を希望されている方にこのNWMをご紹介しています。イヤホンの音を補聴器を介して聞くことが出来ます。

NWMは、アシスタント機能がなくアプリにも機能がありません。ボタン操作によりAuracastを掴むことができますが、かなり操作が複雑です。GalaxyS23のアシスタント機能を使ってみましたが、接続不可でした。アシスタントが使えないことは、メーカーさんに確認済みです。

クリエイティブ Zen Hybrid Pro

これはめちゃめちゃおすすめです。このヘッドフォンのアプリはAuracastアシスタントを実装しておりませんが、OS搭載のアシスタントでAuracastを掴めます。さらに補聴器用のブロードキャスト、イヤホン向けの高音質なブロードキャスト両方を聞くことが出来ました。詳しいことはわかりませんが、幅広いサンプリングビットレートに対応している可能性があります。

例えばお父様がヘッドフォン、お母さまが補聴器(Auracast対応)だった場合、補聴器用送信機でお二人がテレビを楽しむことが出来ます。

レシーバー選びのポイント

レシーバー選びのポイントをまとめます。

  • アプリがアシスタントに対応している
  • スマホ搭載のアシスタントで動作できる
  • アシスタントが使えないとブロードキャストできない

トランスミッター(送信)

テレビやパソコンなど音源をAuracastの規格で音声送信する装置です。これを探すのに苦労しました。ちょっと前は海外サイトで販売しているものばかりだったのですが、最近やっと日本のAmazonで購入できるようになってきました。

トランスミッターは海外製のものばかりなので技適というマークを取得していないと日本国内で使用すると電波法違反になります。Auracast対応トランミッターを購入するときはこの技適マークを取得しているかどうかをしっかり確認しましょう。

Auracast対応かつ技適マークを取得していることが重要

補聴器メーカー製トランスミッター

リサウンド「マルチマイク+」

マルチマイクプラスは、補聴器メーカー「リサウンド」の製品です。この商品はとても考えて作られており、使い方次第では幅広く聞えのサポートをしてくれます。もちろんAuracast対応なのでアシスタント(切替)とレシーバー(受信)があれば、補聴器じゃなくても接続が可能。

首掛け、または胸ポケットに挟めばワイヤレスマイクとして利用できます。

3.5㎜イヤホンジャックを装備、テレビ・PCからの音声をAuracastで送信可能

電話機などスピーカーの近づけると誘導コイルで音声を入力して補聴器に送信も可能。

さらに既存でロジャーをお持ちならマルチマイクにロジャーを接続してAuracastで音声を共有することもできます。ロジャー受信機をもっていない方にもAuracastで音声送信が可能。別途ロジャー送信機とロジャー受信機(ロジャーX)が必要です。

●リサウンド テレビストリーマー+

こちらも補聴器メーカー製のAuracast対応トランスミッターです。3.5㎜イヤホンジャックまたは、光音声出力(SPDIF端子)の音声をAuracastで共有出来ます。非常にコンパクトなので持ち運びにも便利です。

Moorテクノロジー TV hearMore™

1台4役をこなすAuracastトランスミッターです。海外製ですが、技適マークを取得していますので日本国内使用も問題なし。TV hearMore™は、①3.5㎜イヤホンジャック ②SPDIF(光音声) ③マイク入力 ④HDMI の4系統をAuracast化することが出来ます。この4系統の音声入力をボタン操作で切替が可能、これはセミナーなどで使えそうです。プレゼン中はピンマイクで音声送信、動画を流す際はHDMIでPCから音声入力のような使い方もできそう。

この商品は日本のAmazonで購入することができます。価格は2025年3月現在で23,800円と少々お高いですが、1台4役こなせるのでそれを考えると比較的コスパに優れているかもです。また、リサウンドの補聴器ネクシアで受信できることを当店で検証済み、メーカーさんもネクシアで検証済みとの回答がありました。

Moorテクノロジー MoerLink™

同じくMoorテクノロジーさんの商品、MoerLinkをご紹介します。こちらはUSBドングルと呼ばれるUSB接続して音声をAuracastで飛ばします。Windwos11のPCでリサウンドネクシアでブロードキャストできることを確認済み。技適あり。タイプCじゃないところが非常に惜しい!タイプCならiPhone/iPad/mac/スイッチに接続して音声を送信できそうなのですが。。。(未検証)

スマホ POCO X7 Pro(補聴器接続不可)

浦和美園、川口のイオンモールに直営ショップを出したXiaomi、最近勢いがすごいです。そのXiaomiが放つAuracast対応スマホがPOCO X7 Pro。Bluetooth>追加設定にブロードキャストする設定が入っています。公式では、Auracastに対応しているXiaomi製スマホはPOCO F6 Proだけのようですが、X7 Proも同じことが出来ます。(両方もっています)

【重要】現時点では補聴器はブロードキャストを掴めません!

僕も技術的なことはあまりわからないのですが、スマホが送信するAuracastはサンプリングビットレートというものが高く設定されており、省電力性を考慮した補聴器は現時点では受信することができないようになっています。

補聴器とPOCO X7 Proを1対1で接続するASHA(Bluetooth接続)は使用できることを付け加えておきます。

このiPhoneは現在リサウンド ネクシアと接続しておりブロードキャストを受けられる状態になっています。MoreLabとマルチマイクはタップ可能ですが、POCO X7 Proはグレーアウトして先に進めません。残念。。。

USBドングル クリエイティブ BT-W6(補聴器接続不可)

本当はこれが補聴器につながることが理想なのですが、そううまくはいかないようです。クリエイティブが販売しているタイプCドングルです。検証の結果、POCOと同じように補聴器ではAuracastをつかめませんでした。なお、EarFunのアプリではつかむことが出来たのでまたビットレートの問題なのかもしれません。

トランスミッターについてのまとめ

現在自分が所有している、または知人が所有しているトランスミッターをご紹介いたしました。これ以外にもAuracastで飛ばせるトランスミッターがありますがすべて検証するのは不可能です。ぜひ情報お持ちの方、Xでポストお願いします!

今回はここまで

Auracast関連の記事第1弾として僕のもっている対応機器と接続性について今回検証した結果をまとめました。まだまだ勉強不足で知らないことが多数ありますが、今後もお小遣いの続く限りAuracast対応製品を用意して皆様にお届けする予定です。

次回記事は、Auracast対応製品を使った便利な使い方、既存の補聴器でAuracastを疑似体験できる方法などをご紹介したいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。