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2018年版 総合支援法対応補聴器まとめ~高度難聴耳かけ型補聴器編~

こんにちは、立川補聴器センターです。

本日は総合支援法により公費で購入できる補聴器をまとめてみました。今回は交付されることが多いと思われる「高度難聴 耳かけ型補聴器」に絞って比較してみたいと思います。

総合支援法対応補聴器まとめ~重度難聴耳かけ型補聴器編~ ご好評につき重度の方向け記事を追加しました

総合支援法対応の耳かけ式補聴器とは

障害者総合支援法には、身体障害者障害程度等級のいずれかに該当した場合、各市町村の福祉担当窓口へ申請手続きをすることで、原則一律1割程度の自己負担で補聴器など補装具の費用が支給される制度があります。(自己負担額は、原則1割程度負担となります。ただし、所得によって例外もあります。シバントス株式会社 総合支援法 対応補聴器カタログより抜粋)

総合支援法対応の耳かけ式補聴器とは、上記制度を適用した方のみが購入できる専用の補聴器です。メーカーにより器種が異なりますが、こちらの制度専用に作られた補聴器を各メーカー用意しています。(フォナック、ワイデックス、ベルトーン、GNリサウンドは一般販売モデルと併売しています)


参考
手帳取得までの流れを漫画でわかりやすく解説立川補聴器センター

 

総合支援法 交付までの流れ(シバントス株式会社様のカタログを抜粋)

総合支援法対応補聴器 メーカーごとの違い

総合支援法対応の補聴器は各メーカーからリリースされていますが、その性能にかなり差があります。最新器種やひとつ前のモデルの中堅器種を投入してくるメーカーもあれば2世代前のモデルをそのまま使用しているメーカーもあります。それらすべてを試聴し比較することは時間的に難しいと思います。お客様より「総合支援法対応の補聴器をわかり易く説明してほしい」というご意見や当店WEBサイトの検索履歴からも「総合支援法対応」のワードが多数ございます。オープンなかたちで補聴器をご紹介していきたいのでこちらの比較まとめを作ってみました。

 

シーメンス・シグニア テネオHP+(エイチピープラス)

2017年4月にシーメンス・シグニア補聴器よりリリースされた総合支援法対応補聴器です。高い防水性能、細かい調整チャンネルを搭載、別売のイージーテックブーストを追加すればテレビやスマホ、タブレットの音声を直接補聴器に送ることができます。総合支援法対応の補聴器の中では「全部入り」でもっともハイスペックだと思います。ベースモデルは2世代前モデルの「バイナックス 3bx」に近い補聴器で3bxより指向性機能の一部を変更しているとのことです。(メーカーテクニカルサポートより)

耳かけ式補聴器は汗にさらされる可能性が高いので高い防水・防塵性能をもったシーメンス・シグニア補聴器の「テネオ」、おすすめの補聴器です。

※調整できるチャンネルは12chです。

 

フォナック ナイーダV30-SP

2018年8月にフォナックの総合支援法対応補聴器が変更になりました。2013年より頑張っておりましたナイーダが世代交代しVシリーズ(ベンチャーシリーズと呼びます)になりました。Vシリーズは内部のコンピューターが高性能化し毎秒5億回を超える音声処理を行うことができるハイスペックな補聴器になっています。ナイーダQと比較しお客様にとてもメリットのある変更点があります。

マイクカバーが廃止され交換の必要がなくなった

写真はナイーダVとナイーダQを比較したものです。(上がナイーダV、下がナイーダQ)ナイーダQにはグレーの長細いカバーが2枚ついています。このカバーに汗や汚れが付着すると音が集音できず断音の状態になることがあります。ナイーダVはこのマイクカバーが廃止され多重構造のケースとなり湿気からマイクを守れるようになりました。ちなみにナイーダQのマイクカバーは交換すると150円(税抜、メーカー価格)がかかります。ナイーダVのほうがお財布にも優しい設計です。

両耳装用時にボリューム、プログラムスイッチの両耳同期ができる

ナイーダQ30の場合、両耳装用したときにボリュームやプログラムスイッチが同期できず片耳づつ変更する必要がありました。V30より両耳通信機能により片耳を操作すればもう片耳も同期して調整ができます。(フィッティングソフトで片耳づつ調整に変更も可能です)

その他たくさんの変更点がありますが紹介しきれないので代表的な2点をご紹介いたしました。

フォナック ナイーダQ30-SP(2018年7月をもって引退しました)

2016年より総合支援法対応となり販売しているナイーダQ30-SPです。防水防塵性能が高い補聴器となっています。コムパイロットというアダプターを追加することでスマホ、iPhoneから音声のストリーミングとハンズフリー電話ができるようになり、テレビリンク2をテレビに取り付けることによりテレビ音声を直接補聴器で楽しむことができます。調整チャンネルが8cHと少な目ですが、フォナックさんの補聴器は「ある方法」を使うことで8chでは調整しきれない周波数も調整できるようになります。

ナイーダQ30-SPはここでご紹介している総合支援法対応補聴器でもっともハイパワーな補聴器です。

 

オーティコン C100

2014年9月にオーティコンよりリリースされた総合支援法対応補聴器です。シーメンス、フォナック同様こちらもストリーミングに対応している補聴器で比較的ハイスペックな補聴器に仕上がっています。オーティコンの耳かけ型補聴器はボディが小型でカラフルな色が選べるのが特徴です。また、オーティコンの補聴器は比較的「優しい」「柔らかい音質」が特徴で高い音や小さな音がビンビンこないとわたしは感じています。保証も2年ついており安心して使用できる補聴器です。

 

ワイデックス デイリー10G

2016年にリリースされたワイデックスの総合支援法対応モデルです。ワイデックスの1世代前モデル「ドリーム」のプラットフォームを使用しているとのことでドリームに似た使用になっています。TV-DEX(テレビ専用のストリーマー)、COM-DEX(スマホ対応のストリーマー)、CALL-DEX(スマホ用電話アダプター)に対応しています。簡単な接続で電話の聞き取りが向上する「CALL-DEX」がとてもよくできており、電話の聞き取りを重視する方におすすめしています。ただ、調整チャンネルが少ないため急追の聴力や山がある聴力の方には適さないかもしれません。

 

スターキー W3-7000

2世代前の3シリーズという補聴器とプラットフォーム、部品を共用している補聴器です。3シリーズ70という220,000円の補聴器を総合支援法対応にしており非常に太っ腹なメーカーさんだと思います。ただ残念ながらスターキーの補聴器は日本国内では「ノンワイヤレス」仕様のみとなっており、上記の補聴器のようなストリーミングは一切できない補聴器です。また、防水性能がやや低く防塵は等級取得出来ておりません。調整チャンネルや雑音抑制が優れている補聴器だけに「おしい」仕様の補聴器です。

 

GNリサウンド エンヤ2(2019年3月31日をもって総合支援法対応より外れました)

1世代前 リンクススクエアのベーシックモデルという位置づけで発売されたエンヤの総合支援法対応モデルです。GNリサウンドさんとベルトーンさんは全ラインナップで防水等級をとっておりませんが内部パーツにはすべて撥水加工が施されておりIP58性能程度の防水性能があることを営業さんより伺いました。フォナック、ワイデックス、スターキーと比較すると比較的「優しい音」作りになっており周波数圧縮、変換などの機能は一切なし、高い周波数(6KHz以降)を無理に増幅しない仕様になっています。

GNリサウンド ダナロジック・アンビオ

2019年4月1日より「エンヤ2」に代わり、ダナロジック・アンビオが総合支援法対応補聴器に加わりました。詳しくは特集記事をご参照ください。かなりハイスペックで、ここで紹介している総合支援法対応補聴器で最高ランクに位置すると思います。

 

ベルトーン アライ2

1世代前モデル「レジェンド」のプラットフォームを使った補聴器「アライ」の総合支援法対応モデルです。GNさんとベルトーンさんは兄弟メーカーで上記のエンヤと同位置の補聴器だと思います。当店では「初めて補聴器を使う」お客様にはこちらのアライをおすすめしております。優しく自然な感じの音に仕上がっており、音に不慣れな方が装用しやすい補聴器だと思います。機能面ではシーメンスシグニア「テネオ」、オーティコン「C100」と比較するとやや落ちます。シンプルに補聴器を使いたい、あまり高い音がキンキンこない補聴器をお探しの方向けの補聴器です。

 

補足説明

上記に「RICタイプへの変更」という項目があります。スターキーとワイデックスは、総合支援法対応モデルにRICタイプのラインナップがあります。RICタイプは補聴器本体がコンパクト、お耳の中にスピーカーを搭載するので音の変化が少ない機構になっています。コンパクトで目立たない補聴器で総合支援法対応モデルをお考えの方はこの2社をご検討されてみてはいかがでしょうか。

左:ワイデックス「デイリー」 右:スターキー「W3-7000」

まとめ

いかがでしたか。世界6大メーカーの補聴器をご紹介いたしましたがスペックにかなり開きがありますよね。補聴器の頑丈さ(防水・防塵性能など)、拡張性(ストリーミング、リモコンなど)、調整の自由度(チャンネル数)を重視して選ぶと全部入りのシーメンス・シグニア「テネオ」がかなり優れた総合支援法対応補聴器であることがわかります。

 

 

総合支援法おすすめ補聴器

  1. シーメンス・シグニア「テネオHP+」
  2. フォナック「ナイーダ」 または、オーティコン「C100」
  3. ワイデックス「デイリー10G」
  4. スターキー、GNリサウンド、ベルトーンは音の好みでわかれます

 

テレビの聞き取り、電話の聞き取りのお手伝いをしてくれる「ストリーミング」を搭載し高い防水性能、幅広いチャンネル数を持つことで「テネオHP+」が1位、パワーがあり柔軟な調整ができる「フォナック ナイーダ」、広い拡張性能 選べるカラーバリエーション・コンパクトなボディーの「C100」が同率か?、豊富なオプションがあるが調整チャンネルが少ないワイデックス「デイリー」が3位、スターキー・GN・ベルトーンは音の好みがわかれるので3社同率といたしました。

当店では上記メーカーの総合支援法対応補聴器の試聴用デモ器を取り揃えております。ご試聴のご用命がありましたらお気軽にご相談くださいませ。

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