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【レビュー】フォナックの姉妹ブランド「ユニトロン」の補聴器を自分で使ってみた【前編】

いつも当店のブログをご覧いただきありがとうございます。本日は、フォナック補聴器のブランドで知られているソノヴァグループの一員、ユニトロンの補聴器を自分自身で使ったレビューをお届けいたします。

ユニトロンって何??

フォナックはソノヴァという会社が運営しておりその中にいくつか補聴器のブランドを持っています。今風にいうと「サブブランド」という表現がぴったりくるかもしれません。ソフトバンクの携帯にも3つブランドがあるのをご存じでしょうか。それに近いイメージでお考えいただければと思います。

ソフトバンクの場合
  • メインブランド→ソフトバンク
  • サブブランド→ワイモバイル
  • オンライン専用ブランド→ラインモ

補聴器もメインブランドとサブブランドを持っているメーカーが多数あります。ユニトロンはフォナックと同じソノヴァグループの1ブランドです。

メインブランド
サブブランド
日本では眼鏡店で売っているブランド

実は同じ部品を使っている??

フォナックの現行モデル「パラダイス」シリーズには、「プリズム」という名称のICチップが搭載されています。補聴器の音を制御したりワイヤレス機器と通信するためにこのチップが活躍しています。フォナックとユニトロンのカタログを見てみるとちょっと驚きな内容が??

白いカタログがフォナック、青いカタログがユニトロン

フォナックのカタログにもユニトロンのカタログにも「プリズム」というチップが搭載されていることが掲載されていて、ICチップの画像も全く同じに見えます。

左がフォナック オーデオパラダイス 右はユニトロン モクシーブルー

姉妹会社(サブブランド)なので充電ケースもそっくりですね!。

今回レビューするのは?

今回僕がレビューするのは2021年モデルのユニトロン「モクシーブルー」のRICタイプ(外耳道内レシーバータイプ)です。モクシーブルーのスペックを簡単にご紹介致します。海外の聴覚専門家でユニトロンを実際使用されている方のレビューを見つけました。

モクシーブルーのレビュー動画を見つけました。日本語に翻訳してご覧ください。
ユニトロン「モクシーブルー」の機能を取り上げたレビュー動画を見つけました

モクシーブルーのラインナップ

ユニトロン モクシーブルーは3種類のラインナップ、4色のカラバリ展開です。フォナックと比較するとカラバリが少な目です。

RICタイプ

お耳の中にスピーカーを入れるRICタイプ(外耳道内レシーバータイプ)です。今回はこちらをレビューします。ユニトロンの補聴器は、RICタイプとMoxi(モクシー)と呼んでいます。なお、電池式のランナップはなし、充電式のみとなります。フォナック版はオーデオパラダイスがこれに相当します。

BTEタイプ

一番メジャーな耳かけ型がBTE(ビハインドザイヤー)タイプです。こちらも充電式のみで展開しています。モクシーと同じくBTEにも名称がありBTE=ストライドと名付けられています。フォナックではナイーダパラダイスP-Rに相当するモデルです。

BTEタイプハイパワー

PR44(675)電池を使用し重度の方に対応できるモデルがストライドUPです。フォナック版ではナイーダパラダイスUPに相当するモデルです。

レビューする補聴器をご紹介

ユニトロンのRICタイプ「モクシーブルー3」を今回レビュー致します。ユニトロンの中では最もグレードが低いエントリークラスの補聴器ですが、実は機能がすごく充実していておすすめできる補聴器に仕上がっています。

僕のユニトロン補聴器
  • 2021年モデル モクシーブルー3
  • 以前は旧モデルモクシームーブ9を愛用
  • 耳型採取して作ったフォ〇ック製チタンイヤモールド使用(実は互換性あり)
  • パワーレベルはP
  • オージオは下記で使用
  • REUG(裸耳利得)も反映(もちろん本人のです)
REUGについては後ほど簡単に解説します

ユニトロン モクシーブルーの使い方

ユニトロン モクシーブルーは多彩なワイヤレス通信を搭載した補聴器です。全部で5系統のワイヤレス通信を搭載していて、その用途も様々です。僕は、4系統ワイヤレス通信機能を使ってモクシーブルーを装用しています。

モクシーブルーのワイヤレス機能

Bluetooth(2台同時待ち受け可能)

Bluetooth搭載補聴器は珍しくなくなってきましが、このモクシーブルーは他の補聴器と少し変わっています。オーティコンやシグニアの補聴器は、iPhone/iPad/一部のAndroidしかペアリング出来ない仕様になっていますが、このモクシーブルーはスマホ/タブレットなどデバイスの縛りなくペアリングが可能です。(bluetoothクラッシックと呼びます)

さらにモクシーブルーはbluetoothを2系統搭載しており2台の待ち受けが可能です。通話はiPhone、ZoomやTeamsはiPadという使い方もOK!スマホはAndroid、リモート会議はWindwos PCでも大丈夫です。汎用性が高い!

もう1点オーティコンやシグニアと違う点は、スマホタブレットの機種を問わずハンズフリーが出来ることです。お車の運転中が多い方はこのハンズフリー機能がとても便利に利用出来ます。

エアストリーム

これはメーカー(ユニトロン、フォナック)が販売している専用送信機を使って音声送信を行うときに使用します。具体的には、テレビの音声を補聴器に直接送信する「テレビアダプターD」を使うとテレビのスイッチを入れただけで補聴器に音声が入ってきます。これは他メーカーにはないユニトロン(フォナック)だけの機能です。

別売オプション TVコネクターD

ロジャー電波

ユニトロンでは直接販売していませんが、姉妹会社のフォナックが販売しているロジャーも利用出来ます。

■BVST(両耳間音声通信技術)

左右の補聴器が相互で通信する際に使用します。具体的には、ユニトロン モクシーブルーは全モデル「両耳電話」という機能が利用出来ます。左のお耳で電話を聞くと右のお耳に電話音声が送信され両耳で電話を聞くことができる機能です。固定電話を多用するお仕事の方には非常に有効活用いただけるのではないでしょうか。

僕は、通話用にiPhone12 mini・Teamsや軽作業にiPadPro・Youtubeを見たり動画を見るのにPCを使用しています。(プライベートのときですよー♪)

iPhone12mini
bluetooth1系統目とペアリング

iPadPro
bluetooth2系統目とペアリング

Windwos11 PC
テレビアダプターを使いエアストリームで音声をストリーミング(僕はほとんどテレビを見ないのでテレビアダプターはPC専用で使っています)

これだけ豊富なワイヤレス機能があれば仕事・プライベートで困ることはほぼなさそうです。

モクシーブルーの調整(フィッティング)

ユニトロン「モクシーブルー」はソノヴァグループの補聴器で姉妹会社のフォナック「オーデオパラダイス」に近い性能を有しています。ただ、補聴器を調整する際に必要な処方式という計算式が「モクシーブルー」と「オーデオパラダイス」では異なります。

ユニトロンで処方式を選ぶ画面
フォナック オーデオパラダイスの場合

詳細なことは割愛いたしますが、ユニトロンには「アダプティブ・フォナック・デジタル2.0」がプルダウンの中にないことがわかります。「アダプティブ・フォナック・デジタル2.0」(以下APD)は補聴器を調整するために独自で生み出した信号処理方式を持っています。

個人的には、APDの音はメリハリがあって好きなのでユニトロンでも使用したかったのですが、搭載されていないため今回は多くの補聴器に搭載されているNAL-NL2で調整することにしました。

実は本家にない機能が搭載されている

本家の「フォナック オーデオパラダイス」は全4クラス展開、エッセンシャルクラスのP30はかなり機能を落とされています。(P90には搭載しているが、P30には搭載されていないなど)

いっぽうユニトロンのモクシーブルーも4クラス展開なのですが、フォナック上位モデルにしか搭載されていない機能がエッセンシャルクラスにも搭載されていましたのでこちらをご紹介いたします。

オーデオP30にはこれが搭載されていない!

ユニトロン「モクシーブルー3」にはフォナック オーデオP30に搭載されていない機能を実装しています。アンチショックという衝撃音を抑える機能はフォナックでは最上位とその次のモデルにしか搭載されていない機能なのでこれはちょっとうれしいですね。

スピーチ明瞭度強化

会話の存在を識別し、会話があるチャネルの利得を増加させる適応機能です。声がうるさくなりすぎないように、入力される会話音が上がるにつれて会話強調を弱めながら、より小さな会話に対してより大きな会話強調を行います。

アンチショック2

補聴器装用者が聞きたい会話や音に影響を与えることなく、突然の大きな突発音な音を即座に抑制します。ドアをバタっと閉めた時の音、コップをテーブルに置いたときのごとっという音などが抑制されます。

風切り音コントロール

風切り音を自動的に低減し、屋外での会話の快適性を向上させます。

両耳電話

主に固定電話で使用する機能です。(スマホや携帯電話はbluetoothを使うと両耳で電話出来ます)

片耳で受けた電話音声を逆のお耳に無線で送信して電話を両耳で聞く機能です。固定電話をよく使うお仕事の方には重宝されています。

ユニトロン モクシーブルーのレビュー前編のまとめ

ここまではユニトロン「モクシーブルー」の機能面についてさらっとご紹介いたしました。後編では実耳特性測定器(REM)を使ってユニトロン「モクシーブルー」を実際に調整して外出先で補聴器として使用したときのことをレビュー致します。

前編は補聴器メーカー・機能性能の簡単なご紹介・僕の使い方・兄弟機「オーデオパラダイス」との簡単な比較とまとめで終わりたい思います。

ユニトロン「モクシーブルー」の良い点

  • メインブランド「フォナック」のオーデオパラダイスと共通部品を使用
  • bluetoothの機能が充実、2台のスマホと同時待ち受け可能
  • オーデオパラダイスの下位クラスに搭載されていない機能を実装
  • 世界の補聴器トップシェア「ソノヴァ」グループの製品
  • オーデオパラダイスP30と比較し価格が安い

「モクシーブルー」の残念な点

  • カラーバリエーションが少ない
  • 記事には記載していませんが、充電器から補聴器と取り出すときユニトロンのほうが若干固い(なかなか充電器から外せない)
  • フォナック独自調整式「アダプティブフォナックデジタル2.0」が搭載されていない
  • 補聴器の情報が少ない(この記事を書くのにかなり調べましたがWEB上にあまり情報がありませんでした)
  • 現行モデルの耳あな型がない(ユニトロンは耳かけ型のみ)

ユニトロン「モクシーブルー」は【あり】なのか?

価格の面では兄弟機「オーデオパラダイス P30」と比較するとかなり割安感があります。ただ、廉価な分フォナック補聴器のエンジンともいうべき音の調整式「アダプティブフォナックデジタル2.0」が非搭載です。

3(30)クラスのソノヴァ補聴器メーカー価格(片耳充電器込み)
ユニトロン モクシーブルー3¥168,000
フォナック オーデオP30ーR¥225,706

片耳で57,706円の差があります。吉野家さんの牛丼並みが2022年8月現在で426円、牛丼換算で135杯分の差があります。アダプティブフォナックデジタル2.0実装のフォナックを良しとするか、低価格のユニトロンを選ぶのか?悩ましいところです。

ユニトロンとフォナックを比較試聴してみませんか?

価格差以上の何かがあるのか?それとも廉価版のユニトロンでも大して変わらないのか?お客様のご聴力の状態や聞えの状態によりその感じ方は様々だと思います。

当店ではフォナック「オーデオパラダイス」、ユニトロン「モクシーブルー」の比較試聴を行っております。1か月までご試聴は無料で行います。

初期調整では終わらない!実耳測定でしっかりフィッティング!

補聴器の調整は、パソコンにご聴力を入力しその結果「これくらいだよねー」という音が自動で設定できる仕組みになっています。ただこれは補聴器調整のスタートラインでしかありません。PC上に表示している値が真の値なのか、相違している場合その数値に手作業で合わせる必要があります。試聴の段階からこの実測値を使った真の値に近づける調整を実施しています。(詳しくはレビュー後編で!)

土台をしっかりと!3Dスキャンイヤモールドを作って試聴!

いくら高性能な補聴器でもお耳に入れる部分のベースがしっかりしていないと不快なハウリングの発生や補聴器の脱落、音質が合わないなど様々な不具合が発生します。お耳に入れる部分はご自身のお耳に合わせて試聴してみませんか?当店は最新の3Dスキャナ―でお耳の穴を迅速に安全に測定致します。(禁忌八項目は遵守します)

RICタイプも耳型採取でぐんと音質アップします

皆様からのご相談、ご試聴を心よりお待ちしております。

立川補聴器センター

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